徳山ダム建設中止を求める会・事務局


活動報告 2004―2005

徳山ダム裁判控訴審 行政・住民訴訟同日審理 2005. 9.20
kousoshin01.JPG水資源機構が岐阜県揖斐川町(旧藤橋村)で建設を強行している徳山ダムをめぐる「事業認定取り消しおよび収用裁決取り消し請求訴訟」(4号事件)と「公金支出差し止め請求訴訟」(3号事件)の控訴審の口頭弁論が20日、名古屋高等裁判所で開かれた。このうち午後1時半過ぎから始まった4号事件の審理の中で小川克介裁判長は、「控訴人(原告)は嶋津氏の証人申請をしているが、法廷で問題点を議論するより、(原告・被告双方が提出する)準備書面を読む方がより理解が深まるだろう」と述べ、私たちが、嶋津暉之氏(元東京都環境研究所研究員)に法廷に立ってもらい、国による事業認定の誤りを証明したい、とする要求に慎重な姿勢を示した。これに対し、原告弁護団は「事実に関する認識に違いがないよう裁判所に直接、図表などを使って問題点を説明させてもらいたい。準備書面のやり取りだけで十分な理解が図られるとは思えない。必要な項目について丁寧な詰めを行うべきではないか」と重ねて嶋津氏の証人尋問を行うよう強く迫った。しかし、裁判所側は、証人尋問を開くことに消極的な立場を繰り返し、さらに審理の進捗を急ぐ考えまでほのめかした。次回審理は、11月21日(月)13:30から4号事件、13:50から3号事件について同裁判所で相次いで開かれる。《
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「徳山キャンプ 2005」 湛水なんか許さない! 2005. 8.20・21
camp2005-menber.JPG徳山の残された自然を学び親しむとともに、ダム建設への反対の強い決意を確認する恒例の「徳山キャンプ」は、1996年に初めて開催してから今回で10回目。「門入」地区で開いていたのを2001年から「塚」地区に場所を移してからは5回を数える。このわずかな間に、美しかった村は跡形もなく破壊され、豊かだった生態も失われてしまったかのような殺伐とした風景に変わっている。村に入れば、至るところで姿を見せていたサルやカモシカ、キツネなどの動物に出会うことはなくなり、目に映るのは、トンネル工事現場から出された掘削土砂、岩石の山。その土砂は揖斐川上流部の河川敷の緑を踏み潰して埋め立て、流水を汚し濁らせていた。トンネル工事現場周辺では、作業用ダンプカーが轟音を響かせながら、泥水を跳ね上げ、或いは土ぼこりを巻き上げて走り回り、ルールも秩序もない。それでも各地から遠路およそ50人が参加して、工事現場からやや離れ比較的静かな「塚」にテントを張った。《徳山キャンプ 2005へ》

徳山ダム裁判 控訴審開始! 第1回審理 2004. 7.13
木曽川水系の水は余っていて、将来の水需要はなく、国が行った徳山ダムの事業認定は誤っている――。
徳山ダムをめぐる事業認定取り消し訴訟の控訴審第1回口頭弁論が名古屋高等裁判所(小川克介裁判長)で開始され、私たち「徳山ダム建設中止を求める会」は、「徳山ダムの水需要予測は実績とはかけ離れたもので合理性はなく、事業認定当時から予測が間違っていたことは明らかだったはずで、国による事業認定は誤りで、将来、新たな水需要がなければ徳山ダムの法的根拠はなくなる」と一審と同じように主張しました。また、岐阜地方裁判所が去年暮れに出した判決が「将来、水需要が上昇する可能性を否定することはできない」と決めつけたことに対して、「水需要が上昇する可能性を認めるならば、相当の根拠を示さなければならないのに、一審判決は何も明らかにしていない」などと訴えました。さらに意見陳述の中で代表の上田武夫は「旧徳山周辺の風景はかつての面影をとどめることなく一変してしまい、自然環境は破壊し尽くされている」と環境保全の立場から、また事務局長の近藤ゆり子は「今では利水容量は事業認定当時の半分程度まで減っていて、需要予測ははじめから間違っていた」と主張しました。この控訴審では、岐阜県知事を相手に起こしている建設負担金の差し止めなどを求めている訴訟と、岐阜県収用委員会に土地の強制収用裁決の取り消しを求めている訴訟も併行して始まりました。

シンポジウム 「今こそ中止を!徳山ダム」 ― 国会議員大いに語る ― 2004.4.24discussion0424.jpg
「徳山ダム建設中止を求める会」は24日、名古屋市千種区の生協生活文化会館ホールで「徳山ダムをやめさせる会」と共同主催で、「今こそ中止を!徳山ダム」を表題にシンポジウムを開き、分刻みの過密スケジュールをぬって出席された中村敦夫参議院議員、河村たかし衆議院議員、八田ひろ子参議院議員の3氏に、巨額の事業費増額が絡み迷走する徳山ダム事業の本質的問題を指摘、議論していただき、多くの貴重な提言をその成果として残していただきました。会場には、ムダな公共事業を監視する市民グループや法律の専門家、ふつうの市民、学生、教職につかれている皆さんおよそ120人が集り、現職の国会議員らの発表に聞き入り、活発な議論を交わしました。

名古屋市議会・経済水道委員会/請願を採択せず、保留 2004.2.20
徳山ダム事業の利水容量について、愛知県が4t/sから2.3t/sへと減らすことを決めた一方、岐阜県も容量を減らす方針と伝えられました。また、治水容量で負担を強いられる三重県も容量変更で追加費用を負わされる可能性が出てきた事態に悲鳴を上げている中で、名古屋市議会の経済水道委員会は、去年、事業費増額発表後に提出された「徳山ダム事業からの撤退要求と事業費増額不同意要求の請願」について審査が行われましたが、委員会は「請願」を採択することなく、「保留」扱いとすることを決めました。財政危機に喘ぐ名古屋市の政策を決める名古屋市議会は問題を再び先送りしました。 《
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徳山ダム裁判 控訴 2004.1.7laywer_yamada.jpg
私たち「徳山ダム建設中止を求める会」は先月26日に岐阜地方裁判所の林道春裁判長から言い渡しのあった徳山ダムをめぐる、国を相手にした事業認定取り消し訴訟と岐阜県知事らを相手にした建設負担金差し止め訴訟の「不当判決」を不服として、7日、名古屋高等裁判所に控訴しました。当日は、徳山ダム訴訟弁護団の山田秀樹弁護士が原告とともに岐阜地方裁判所を訪れ、控訴状などの書類を提出しました。この控訴手続きのあと山田弁護士は、一審判決は国の側に立ったもので納得できない。引き続き水需要問題を争点にし、事業費の増額問題でも争っていくとの考えを示されました。

《報道Net》 中日新聞 岐阜新聞

「控訴」への年、2004年は明けた 2004.1.1
わずか6日前の2003年12月26日、岐阜地方裁判所の林道春裁判長は徳山ダム裁判の判決言い渡しで、真実に目を背け、真実を語ることをやめ、或いはその呵責の念を抱きつつ、私たちの科学的で精緻な訴えを悉く退けた。――、いわれるように「司法は一体どこを、何をみて判事するのか」。司法は、社会などみていない。国民社会と隔絶して自己のみの利益を追い求め、責任回避に右往左往する人格に判事される国民は堪らない。暗澹の中で迎えた新年に希望を抱くことは難しい。それでも「徳山ダム建設中止を求める会」は、次の世代に“言い訳をしないですむ社会づくり”の道を探る活動を続けて行きます。市民の皆さん、また今年1年よろしくお願いします

《報道Net》 朝日新聞

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