岐阜新聞ニュース

[1月7日夕刊記事] ※ニュースは適宜「Reload・再読込」してご覧ください

徳山ダム訴訟 原告控訴/事業費増でも争う構え

 揖斐郡藤橋村に建設中の徳山ダムをめぐり、市民団体が国と県を相手取り事業認定取り消しなどを求めた行政訴訟と、県に建設負担金返還などを求めた住民訴訟で、原告側は七日、訴えを全面棄却した岐阜地裁の判決を不服として名古屋高裁に控訴した。

 両訴訟の原告は、同ダム建設に反対する市民団体「徳山ダム建設中止を求める会」(上田武夫代表)。

 同会は控訴の理由を「判決内容は被告側の書面を写しただけ。徳山ダムをめぐる新しい問題に踏み込んでいない。原告側が証拠で明らかにした事実も無視している」とし、結審後に問題となった九百六十億円の事業費増額などについても争う方針。

 この日、岐阜地裁に原告側弁護団の山田秀樹弁護士、同会の近藤ゆり子事務局長らが訪れ、控訴手続きをした。

 昨年十二月二十六日の一審判決では、行政訴訟は、最大の争点だった利水の必要性について▽関係自治体が必要と認識▽水資源開発は長期的、先行的な観点で整備する必要がある▽水需要予測は不合理と断定できない−などと判断。治水などへの効果も認め、「ダム建設事業によって得られる公共の利益は多大」とした。

 また、住民訴訟でも「費用負担の同意は裁量の範囲内」として、原告の訴えを退けた。

《岐阜新聞1月7日付夕刊一面》


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[1月7日朝刊記事]

早春彩るバラの競演/花フェスタでショー/青色の新品種も

 新品種のバラなどを集めたフラワーショー「早春のローズガーデン」が、可児市瀬田の花フェスタ記念公園で開かれている。二月十五日まで。

 同ショーは初の開催。春から夏がシーズンのバラ計約五十種を、温室で一足早く楽しめる。メーンは揖斐郡大野町で開発された青いバラ「ブルーヘブン」や「トロピカルシャーベット」などの新品種。ほかにも従来種が赤や黄、白など彩り豊かな花を咲かせ、甘い香りで会場を包んでいる。

 来園者らは「きれいで香りも気持ちいい」とバラの競演を満喫。園内では、バラ栽培の相談コーナーや新品種の予約販売、バラの押し花展なども開かれ、人気を集めている。

 (文、写真・宮本覚)

(写真)新品種など計50種のバラが楽しめるフラワーショー=6日午後、可児市瀬田、花フェスタ記念公園

《岐阜新聞1月7日付朝刊社会面》


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預金したら3億円大当たり/岐阜信金の宝くじ付き定期/1人が幸運つかむ

 え!三億円−。岐阜信用金庫(本店岐阜市神田町)の宝くじ付き定期預金の契約者の中から、年末ジャンボ宝くじの一等(二億円)と前後賞(各五千万円)合わせて計三億円の当選者が出た。発売から一年三カ月での思わぬ当選に担当者も驚いている。

 同金庫によると、当選者が出たのは、同金庫が二〇〇二年十月から取り扱っている宝くじ付き定期預金。サマージャンボ宝くじと年末ジャンボ宝くじが、預金金額に応じて贈られる。

 〇三年十二月末現在、同定期預金の残高は三百二十六億円で、宝くじ十一万五千枚が七千二百四十四人に配られた。無作為に送付するため、当選者は分からないが、同金庫が購入した宝くじの番号で確認したところでは、一等と前後賞が一人に送られている。

《岐阜新聞1月7日付朝刊社会面》


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「孫のため」「自分のため」品定め/ひな人形商戦ピーク/県内の販売店

 ひな人形商戦がピークを迎えた。年が明けて勢いを増し、販売店では、かわいい孫への贈り物を選びに、ひっきりなしに客が訪れている。近年は、自分のために買い求める高齢者や独身女性も出始めた。

 岐阜市鏡島精華、「人形の松井」(松井博社長)では、連休の今週末を販売の最盛期と見込んでいる。

 同社によると、これまでの売れ筋は例年よりやや高額な商品で、着物の仕立てが本格的な商品など本物志向が目立つという。住宅事情から、以前は小ぶりのものがよく売れたが、今年は七段以上の飾りが半数以上を占めている。

 ここ二、三年は、古希を迎える女性や独身女性が「自分のために飾りたくて」と購入するケースも見られるという。ずらりと並んだひな飾りで華やぐ店内では、子ども連れの若い母親らが人形の表情などを見比べながらじっくり品定めしている。

 (鷲見進)

(写真)社員から商品の説明を受ける親子連れ=岐阜市鏡島精華、人形の松井

《岐阜新聞1月7日付朝刊県内版》


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「あきらめないこと」学んだ/自転車で米大陸横断、水戸さん里帰り/七宗町

 昨秋、単独でマウンテンバイクでの米国大陸横断を達成した大阪市立大四年水戸圭一さん(24)=神戸市在住=が、加茂郡七宗町上麻生の祖父水戸力男さん(83)方に里帰りした。圭一さんは「あきらめなければ何とかできることを学んだ」と語り、祖父母もたくましさを増した孫の姿に目を細めている。

 圭一さんは高校時代に「環境問題への関心」から自転車に興味を覚え、大学入学後、本格的に自転車にのめり込んだ。「英語圏を自転車で走りたい」と米国横断を決意。一年以上かけて計画を練りながらバイトで渡米資金をためた。

 昨年八月十八日にロスを出発。砂漠地帯で異常な暑さ、水分補給などに苦闘しながら最大の難所を死に物狂いで切り抜けてペースをつかんだ。途中で知り合った米国人からタイヤを長く持たせる方法を習うなど、親切なアドバイスも受け、野宿しながら約六千八百キロを八十五日間で走破。

 ニューヨークの市街地を抜けて、ロングアイランドに到着した。海辺で最初に太平洋でくんだ海水を大西洋に流し、旅の終わりを告げる一人だけの“儀式”を行ったという。

 子供のころから父母の出身地の同町に頻繁に里帰りしており、祖父母も孫との再会を心待ちにしていた。圭一さんは「米国は親切な人ばかりで出会いの大切さをあらためて感じた。考えるよりも行動することが重要で、旅を終えて自分の生きる方向が定まってきたようだ」と収穫を話した。祖母の敏子さん(83)は「旅を終えて一本しんが通った気がする」と孫の成長を喜んだ。

 (裁成人)

(写真)祖母の敏子さん(中央)に米国旅行の様子を話す水戸圭一さん(左)=加茂郡七宗町上麻生

《岐阜新聞1月7日付朝刊県内版》


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06年稼働へ準備着々/県立3病院の「医療総合情報システム」

 県が県立三病院(岐阜、多治見、下呂温泉)共通で進めてきた「医療総合情報システム」の基本設計が終わり、本格的な開発に着手する。電子カルテを中心に病院業務全般を管理する総合的な病院システム。三病院での診療情報の共有化のほか、将来的には地域の医療機関との連携も視野に入れ、多治見、下呂温泉病院は二〇〇六(平成十八)年一月、岐阜病院は新病棟が完成する同年十月の稼働を目指す。

 開発するシステムは、患者の病歴や診断結果、処方せん、レントゲンなどを電子カルテとして管理する六システムが中心で、薬剤管理や検査、リハビリのほか、財務会計や経営管理、看護勤務など病院業務すべての部門ごとにシステムを構築する。

 地域の医師会や医療機関との連携を見据え、コードやデータ通信規約の共通化、標準化も行い、高速大容量光ファイバー網・岐阜情報スーパーハイウェイを活用、広域、公共性の高いネットワークを形成したい考え。

 システムを導入することで、電子化によるペーパーレス、フィルムレスとなるほか、業務の効率化や院内ネットによるスピード化が図られ、医療の質の向上、サービスの向上なども目指す。

 県では〇一年度から同システムの基本計画・設計に取り掛かり、県の情報関連業務の戦略的アウトソーシング事業として県が契約しているNTTコミュニケーションズに業務委託。事業費は約四十一億円。全国的にも例の少ない複数病院の共通システムの共同開発、導入により、開発コストの削減を図ったという。

 本年度中に機能設計を終え、新年度に詳細設計、開発を行い、一部画像管理システムを先行導入する。さらに画像データの蓄積、総合テストを繰り返した後、本格運用を始める予定。

 (高木俊徳)

《岐阜新聞1月7日付朝刊県内版》


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白バイ隊、一斉に街頭へ/県警交通機動隊が出発式

 県警交通機動隊の今年の出発式が六日、瑞穂市牛牧の同隊庁舎前で行われ、交通事故防止に向けて白バイ三十五台、パトカー十四台が取り締まりをスタートさせた。

 式では整列する六十四人の隊員を前に、彦坂正人交通部長が「昨年は皆さんの努力で、交通事故死者が二百人を切るという成果が挙げられた。今年も一生懸命に取り組んでほしい」と訓示。隊員らは引き締まった表情で聴いた後、一斉に街頭へと出発した。

 県内は昨年、交通事故死者数が百八十六人で、十六年ぶりに二百人を切ったが、今年は五日現在で五人と多発。末次徹隊長は「さらに指導・取り締まりを強化し、死亡事故抑止に努める」と意気込んだ。

(写真)一斉に交通取り締まりに出発する白バイやパトカー=瑞穂市牛牧、県警交通機動隊庁舎前

《岐阜新聞1月7日付朝刊県内版》


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戦後初、蔵を大改修/垂井町の曳やま「鳳凰山」/「祭りの文化、残したい」

 650年の歴史を誇る、垂井町の「垂井曳(ひき)やままつり」の曳やま「鳳凰山」を収容する蔵が復元改修された。蔵の大規模改修は戦後初めてという。町の誇りである文化を後世に残したい−と町民らが寄付金を集めて改修した。

 曳やまは、東町の鳳凰山、西町の攀鱗(はんりん)閣、中町の紫雲閣の三台があり、地元住民らがそれぞれ管理、保存している。鳳凰山は一八〇八年に現在の原形ができ、その十年後に収蔵用の蔵が建設された。

 蔵はこれまで小修理を重ねてきたが、屋根などの傷みが激しいため、三年前に発足した「東町曳やま保存会」(細井卓会長)が中心となって改修を計画。東町にあたる町の東部一円の住民から寄付金を募り、八百万円余りの費用をすべて賄ったという。

 昨年八月から作業を始め、先月完成した。屋根の修復のほか、トタンをしっくいにしたり、木製の壁面を鎧(よろい)張りという伝統工法にするなど歴史ある曳やまにふさわしい蔵が完成した。細井会長は「飾り幕の修繕も考えており、町民にとって特別な祭りをいつまでも盛り上げていきたい」と話している。

 (本間綾子)

(写真)戦後初めての大規模改修をした鳳凰山の蔵(左)=垂井町

《岐阜新聞1月7日付朝刊西濃地域版》


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サルや獅子舞、新春気分盛り上げ/温かみある絵手紙年賀状/多治見で展示

 日本絵手紙協会友の会会員の渡辺久夫さん(72)=多治見市姫町=の元に届いた今年の年賀状を紹介する作品展が、同市大針町の南姫公民館で開かれている。温かみのある年賀状が来館者の目を楽しませている。二十日まで。(青木政浩)

 渡辺さんは五年前に同会に入会。同市内で絵手紙教室を開いている。

 作品展は今年で四回目。全国各地の会員らから送られてきた絵手紙の年賀状約三百枚をはじめ、渡辺さんが全国を旅して描いてきたこま犬や仁王像の水墨画、「夢」や「歩」と記した色紙を出品。えとのサル、獅子舞や羽子板の絵に「笑門来福」「今年も楽しく交流を」などと添えられた年賀状がずらりと並んでいる。

(写真)絵手紙の年賀状やこま犬の水墨画が並ぶ作品展=多治見市大針町、南姫公民館

《岐阜新聞1月7日付朝刊東濃地域版》


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「氷の森」作り 着々と/上宝村の福地温泉/神秘の情景ライトアップ

 上宝村福地の福地温泉で、森の木々に水を吹き付けて凍らせた「氷の森・青だる」作りが進められている。年明けからはライトアップも行われ、淡い青みを帯びた神秘的な情景が観光客らの目を楽しませている。

 氷の森作りは、北アルプスのふもとにある奥飛騨温泉郷の冬景色をアピールしようと、地元の福地温泉観光協会が七年前から実施。今シーズンは昨年十二月から、温泉街に面した杉林に谷川の水をまき、氷柱と樹氷を育ててきた。

 関係者は「氷柱の高さはまだ五、六メートルで、例年に比べていまひとつ。今後の冷え込みに期待したい」と話している。

 ライトアップは二月末までの午後七時から同十時まで。二月六日から八日までの三日間は、郷土芸能の実演や甘酒のサービスなどが行われる。

 (古宿博史)

(写真)樹木に谷水を吹き付けて凍らせた「氷の森・青だる」=上宝村福地

《岐阜新聞1月7日付朝刊飛騨地域版》


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[1月7日経済ニュース]

県選出議員、新年の抱負/本社来訪

◆未来像示す政策を提示:棚橋氏

 県選出の棚橋泰文衆院議員(岐阜2区、自民)は六日、新年あいさつのため岐阜新聞本社を訪れ、「日本の未来像を示す政党となっていくため、自民改革を進めたい」と抱負を語った。

 昨年の衆院選の印象を「自民は世の中の感覚にもっと近づき、オープンになっていかねばならない」と改革をアピール。今夏の参院選についても「勝てばいいという訳ではない。なぜ過去の参院選で自民に厳しい結果が出てきたのか。それは日本の未来像を示してこなかったからだ」と自戒を込めて語り、未来への道筋を示す政策の提示を強調した。

 国民の関心の高い年金問題では「基礎年金、国民年金の掘り下げた議論が必要」とし、財源には「消費税が合理的」との見方を示した。また西濃について「治水はもちろん、少子化や子育て対策のモデルとなるよう応援したい」と述べた。

◆政権奪取へ参院選必勝:山下氏

 県選出の山下八洲夫参院議員(民主)が六日、新年あいさつで岐阜新聞本社を訪れ、「今夏の参院選は政権奪取の前哨戦となる。党への期待を裏切らない素晴らしい結果で勝利したい」と、必勝への意欲を語った。

 参院で二選目を目指す山下氏は、民主が議席を伸ばした昨年の衆院選を「二大政党化への潮流が顕著となり、民主が次の政権を担う足掛かりを築いた」と総括。参院選では「与党を過半数割れに追い込み、解散・総選挙へとつながる選挙としたい」と語った。

 政策課題では景気対策を挙げ「景気は回復の兆しというが、合理化によるもので採用増を伴う回復ではない」と分析。そのため「中小零細企業のための対策に本腰を入れたい」とし、対策の一つとして「企業労働に従事する外国人研修生、実習生の厚生年金を免除する法案を次期国会に提出したい」と語った。

《岐阜新聞1月7日付朝刊総合面》


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地域経済発展へ全力/県内15商議所会頭が年頭所感

 新年を迎え、先行きの不透明感はぬぐえないながらも、国内景気の回復への期待感が高まっている。その中で、地域経済発展の原動力となる中小企業の成長が期待される。地域経済社会を支える中小企業の創業や経営革新の支援などに取り組む県内十五商工会議所の会頭に年頭所感を聞いた。

◆ニーズを把握、役割を果たす:岐阜商工会議所 清水義之会頭

 わが国経済が再びダイナミズムを発揮するには、日本経済の強さを担い、雇用創出と技術革新の原動力として地域社会の発展へ貢献してきた中小企業の成長が何よりも重要。既存の枠組みが大きく揺らいでいる変革の時代にあって、商工会議所の最大の使命は、地域経済社会の活力の創造を通じ、日本経済社会の振興発展を志向し積極的に活動を展開していくことにある。地域経済社会の期待に応え、ニーズを的確に把握し、常に時代の先駆けとして先導的な役割を果たしていきたい。

◆国には的確な対策実行望む:多治見商工会議所 坂崎重雄会頭

 日本経済は回復軌道に乗ったとの判断があるが、実感するには程遠く改善の兆しは見当たらない。中小企業は経営努力を積み重ねた経験と実績を糧(かて)にさらなる改革を展開していく必要がある。国には末端まで自立的回復軌道に乗せるよう、時宜を逃さず的確な対策の実行を強く望む。商工会議所は中小企業支援の強化と拡充などさまざまな事業を積極的に推進し地域産業経済発展のため尽力するほか、三市一町合併など飛翔のための助走となる本年、一層運動を興していく。

◆魅力的な観光戦略を立てる:美濃商工会議所 小坂良治会頭

 美濃市は、今年市制五十周年を迎える。振り返れば工業団地の造成などで基幹産業の転換など大きな変容を遂げてきた。

 国の重要伝統的建物群保存地区「うだつの町並み」の電線地中化工事が完成し、町屋の改修も着々と進み、観光客も飛躍的に増加している。

 今後は、美濃らしさの創出と「もてなしの心」など細かな心配りが必要。愛・地球博を機に魅力的な観光戦略に市民ぐるみで知恵を絞りたい。来年の東海環状線の開通を機に着実に有効活用を図らなければならない。

◆40周年事業の計画を進める:瑞浪商工会議所 北山正和会頭

 長い不況で疲弊した地域経済や中小企業には本格的な立ち直りの兆しは見えず、小泉内閣には一刻も早く景気回復につながる施策の実施を望む。

 当会議所は今年で四十歳を迎える。「みずなみ焼」が出展するフランクフルトメッセの視察を始め、各種の記念事業の計画を進めていく。

 三市一町の合併も二十五日に実施される住民意向調査を経て、実現に向け着実に進むものと確信している。

 数々の課題が山積しているが、勇気を持って新しい年に踏み出したい。

◆昭和村の客を市街地へ誘致:美濃加茂商工会議所 佐藤弘会頭

 地域経済は回復の兆しを実感できる状況になく、景気低迷で中小企業の経営体力は限界に近づきつつある。政府に対し中小企業の再生を図るべく財政、税制、金融のあらゆる手段を有効に講じるとともに、内需主導型による持続可能な景気回復に道筋をつけた経済運営を強く要望したい。

 当会議所の地域では、地域経済の原動力である中小企業育成のための施策を積極的に実施、特に日本昭和村の観光客の市街地への誘致を積極的に推進、活力ある地域経済実現に取り組みたい。

◆存在感のある会議所目指す:大垣商工会議所 土屋嶢会頭

 地域の発展や産業振興のために、引き続き地域の声を一つにしてインフラ整備や税制改革などの要望活動事業などを積極的に展開し、地域経済の根幹をなす中小企業を積極的に応援していく。

 芭蕉生誕三百六十年にあたり、大垣市で記念事業が計画され、当所としても積極的に支援し交流産業の振興を図りたい。また、ブランド構築の推進、広域圏活動の推進、中心市街地の活性化推進、商工会議所活動の充実などを進め、会員・地域に存在感のある会議所を目指したい。

◆電子入札など重点的に推進:関商工会議所 野田豪一会頭

 今の日本経済は、マクロ的には経済成長率がプラスとなり、大企業を中心に企業収益の改善が続いているが、地方経済とりわけ中小企業はその恩恵に浴せず、厳しい経営環境の中で経営をしている。本年は当会議所創立五十周年の節目の年になる。原点に返り、地域に密着した経済団体として▽電子入札・電子申告への支援▽観光事業の育成▽各種提言、陳情、要望活動−を重点項目に粛々と進めたいと思う。今後とも各種事業活動を通じ、地域振興、商工業発展に貢献していきたい。

◆若者呼び込む産業ぜひ必要:神岡商工会議所 牛丸忠久会頭

 国内の大手メーカーでは、景気がようやく底打ちしたといわれているが、地方の中小企業にその兆しは見られない。中でも土木建設業は公共事業の削減で、かつてない苦境に立たされている。

 若い人たちを呼び込む新たな産業は地方にこそ必要だ。神岡鉱山の広大な地下空間を活用したサイエンスパーク構想をはじめ、四月開設の農業公園「山之村牧場」、流葉地区のウオーキングコースなど素材はある。これらを夢の持てる事業に何としても育て上げていかねばならない。

◆万博など控え活性化の好機:恵那商工会議所 伊藤喜美会頭

 恵那商工会議所は今年、創立四十周年。創立時の原点に戻り、会員事業所の要望に応えられる体制を整え、地域商工業の振興発展のため、まい進したい。会員事業所の巡回指導・相談の徹底、月一回の相談日設定など、約千二百五十会員事業所の育成発展につながる事業を実施していく。

 来年は愛知万博や中部国際空港開港など国家的プロジェクトがある。合併で一つとなる恵那地域の活性化に絶好の機会。地域活性化のための考えを、行政や関係団体に提言していきたい。

◆意識を改革し自分で努力を:可児商工会議所 市原崇好会頭

 今年から保険金や税金などすべてが高くなる。これは今まで自分たちのために使ってきたツケだ。若い人は戦後の生活を知らない人ばかりだが、日本は戦後生活を経て生き変わった。戦後生活の経験のある先輩諸氏に聞き、その生活に戻る覚悟さえできれば、当時に比べて十分過ぎるような生活ができると思う。

 また景気だが、国が大量に資金を投入すれば一時は回復するだろう。しかし根本的には無理だ。まず個人が意識改革し、自分自身のことを努力するのが何よりと考える。

◆「転換と改革」念頭に頑張る:高山商工会議所 蓑谷穆会頭

 日本経済は回復基調といわれ始めているが、地方にはまだその実感はなく、飛騨高山においても観光以外の諸産業の低迷、商店街の不振は依然続いている。古い伝承空間のあるこの地では、それに包含される商店街の盛り返しは急務。市町村合併による新・高山市の誕生も来年二月に迫り、経済のけん引役としての当会議所の役割は一層大きくなる。地域におけるマクロ経済からミクロ経済まで、真にリーダーシップを発揮していけるよう、「転換と改革」を念頭に頑張っていきたい。

◆難題続出の中、巡回活動徹底:中津川商工会議所 鈴木嘉進会頭

 景気が回復過程にあると政府は認識しているが、民需主導の本格回復は、デフレの進行に歯止めが掛かってからではないだろうか。企業規模の大小にかかわらず過去経験したことがない難題が続発する中で、「東濃東部地域中小企業センター」の有効活用と徹底した巡回活動を実施したい。当市と七町村の合併協議も十月一日施行へ調整が進み、地域が真に自立するための第一歩が踏み出されようとしている。そのためにも地域発展に貢献する地域総合経済団体として役割を果たしたい。

◆産地ブランドの確立が急務:土岐商工会議所 篭橋久衛会頭

 大企業の一部の製造業が、米国や中国の好調に支えられ全体の景気や指標を押し上げているにすぎない。地域経済や中小企業はまだ大変な状態。将来の社会保障にかかる費用負担の問題もあるが、なによりもまず内需中心の景気回復が先決だ。窯業界の将来展望を考える時、ジャパンブランドや産地ブランドといった商品政策を確立していくのが重要なポイントではないか。皆さんには企業家精神をいかんなく発揮していただき、英知をもってこのハードルを乗り越えてほしい。

◆変革経営成し遂げ勝ち組に:各務原商工会議所 五島昭寿会頭

 新しい年を迎え、心よりお喜び申し上げます。

 現在の日本経済は、誠に不安定な状況下にありますが、産業界においては、海外景気の回復を映じた輸出の持ち直しから生産も強含み傾向にある状況下の中、商工会議所としましては、会員企業が変革経営を成し遂げ「勝ち組」として存続できるように、知恵の出し方、使い方、効果的な自助努力の仕方など、現在取り組むべき経営の手がかりになり得るヒントを提供するための事業に取り組んでいくことをお誓いします。

◆景気対策など積極的に提言:羽島商工会議所 岩田仲雄会頭

 税制や年金、道路公団民営化、イラク復興支援など課題が山積し、景気も若干の明るさが見られるものの、地域経済や中小企業者にとっては依然として厳しい状況が続いている。

 このため、景気対策や税制改正などについて、商工会議所ネットワークを通じ、積極的に提言するとともに、会員企業と地域の発展のための事業展開をしていく。

 行政の合併については、地域商工業者の発展と地域の一層の活性化のため、側面から支援していく。

《岐阜新聞1月7日付朝刊経済面》


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