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徳山ダム訴訟で原告側控訴
事業費増額問題も争点に
水資源機構(旧水資源開発公団)が岐阜県藤橋村に建設中の徳山ダムをめぐる二件の訴訟で、全面敗訴した反対派住民ら原告側は七日、岐阜地裁の判決を不服として名古屋高裁に控訴した。九百六十億円の事業費増額問題についても争う方針。
原告側は控訴審で、利水をはじめ、ダム建設の目的を引き続き争点にする。これに加え、事業認定前の一九九六年七月に開かれた「第七回徳山ダム建設事業審議委員会」で、旧公団が「物価上昇などからおおむね三百億円の増額が見込まれる」と説明したことに着目。事業認定前から増額の認識はあったとし、二審で違法性を問う構えだ。
昨年末の一審判決は、国土交通相に事業認定取り消しを求めた行政訴訟で訴えを棄却、梶原拓岐阜県知事らを相手に、県の負担金支出差し止めなどを求めた住民訴訟では訴えを却下した。
原告側が利水を最大の争点ととらえ「水需要は増える見込みがなく、ダムは必要ない」と主張したのに対し、判決は、公団の水需要予測などをもとに旧建設相が行った事業認定を「裁量の範囲の逸脱はない」とし、治水、発電などの目的も含め「事業から得られる公共の利益は多大」と、ダムの必要性を認めた。
岐阜地裁へ控訴の手続きに訪れた「徳山ダム建設中止を求める会」の近藤ゆり子事務局長は「(事業を)凍結できない理由としている治水についても十分に反論できる。控訴審で立証していくつもりだ」と話した。
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