やめよ!徳山ダム No.54(2003.10.08)


「徳山ダムをやめさせる会」発足

「7.12『徳山ダムは名古屋の問題』シンポジウム実行委員会」を発展的に解消して、新たに「徳山ダムをやめさせる会」を発足させました。名古屋を中心とした東海地方全体の運動体として動き出しました。この会は、当面の問題(徳山ダム事業費1010億円増額について利水者=岐阜県・愛知県・名古屋市が費用負担同意をすることを許さない)への取り組みに迅速に行動することを最優先としています。「会員」は徳山ダム建設を止めさせようと何らかの行動等(カンパ・激励も行動です)に参加するする者、個人・団体を問わない、というアバウトなものです。「会費」も決めません。「会」が呼びかける行動に是非ご参加下さい。

   「徳山ダムをやめさせる会」

共同代表:在間正史(弁護士)・伊藤達也(金城学院大教授)
事務局長:渡辺泰(名水労)
事務局次長:近藤ゆり子(徳山ダム建設中止を求める会)
    事務局:名古屋市中区三の丸三丁目1−1
           名古屋水道労働組合気付
      TEL 052-971-3105     FAX 052-971-3692
事務局長Emailアドレス及び郵便振替口座を新設準備中です。
事務局次長・近藤の方が連絡がつきやすいかもしれませんので、お問い合わせ等は、近藤の方になさってっも結構です。

「徳山ダムをやめさせる会」としての当面の行動

◎ 中部地備事業評価監視委員会に意見書を提出(10/6)→当会HPに掲載
◎ 愛知県への申し入れ行動
「徳山ダム事業費増額の費用負担同意をするな」「徳山ダム事業から撤退せよ」
10月8日(水) 10:00〜
◎ 11月25日(火)18:00〜 名古屋市教育館
 「徳山ダムをやめさせる会」主催の集会を開く。内容・集会名等は近日決定。
◎ 総選挙と市民への訴えかけについて →2,4ページ参照 
 報道はもう「総選挙」モード。ここ東海地方では「徳山ダム問題」こそ、総選挙の争点だ、ということを市民にも候補者にも政党にも積極的に訴えていきます。


9月3日「撤退ルール」学習会−100名以上の大盛況

前号でお知らせし水機構ダムからの「撤退ルール(水機構法施行令)」学習会は、関西、関東から来られた方も居て、100名を超す大盛況でした。
難解な「撤退ルール」を解読する少人数の勉強会を予定していたので、主催者も講師もびっくり。大きな会場しか押さえられなったことが幸いしました。ただ、中味はかなり詳しいことを知っていることが前提のものだったので、多くの参加者には理解しにくかったと反省しています。(学習会資料は当会HP「徳山ダム関連資料」に掲載)


  「徳山ダム事業費増額問題」こそ総選挙の争点
   −「小泉改革」の中味を問う−

 「小泉内閣のもとで、「行政改革大綱」(森内閣閣議決定2000年12月)をふまえた、「特殊法人等整理合理化計画」(小泉内閣閣議決定2001年12月)にもとづき、水資源開発公団が廃止され、この10月1日に独立行政法人水資源機構が新設された。
 この背景には、無駄で環境破壊型の公共事業、およびその重要な担い手である特殊法人の根本的な改革を求める、住民・国民の運動と世論があった。水資源開発に関しては、過剰開発・水余りのなかで、住民・国民は、不要で浪費的な巨大ダム・堰建設を中止すること、さらには上記事業を中止できない構造の改革を求めてきたのである。
 小泉内閣によるこの改革が、たんに住民・国民の改革要求への妥協でありポーズに過ぎないのか、あるいは真に住民・国民の切実な要求を実現する意図をもっているのかは、水資源機構による今後の事業内容によって評価される。
 ところで、水資源機構法は、「水需要の伸び悩み等を踏まえ、新規の開発事業は行わない」とともに、「新規利水の見込みが明確でない実施計画調査中の事業の中止、実施中事業の事業規模の縮小等を図る」としている。
 さらに、旧公団法の規定にはなかった利水者の撤退により事業を縮小又は廃止した場合の手続きを新設した。
 これらは、あきらかに上記の住民・国民の要求をふまえているといえよう。
しかし、他方で、この新規水資源開発の中止という画期的な制度には、次のように限界がある。
水資源機構法では、公団法廃止時点で公団が実施中の新築事業、および実施計画調査中の事業でも主務大臣が利水が確実にあることを指定した事業については、経過措置として、引き続き水資源機構が行うこととされており、徳山ダム、思川開発など、これまで問題とされてきた旧水資源開発公団の巨大事業も、生き残ることが可能な仕組みになっているのである。 したがって、小泉改革は、徳山ダム等の事業を中止するか継続するかによって、その真価が問われるといってよい。
 また、現在、各政党が導入を進めつつあるマニフェストに関しても、新制度による網から免れた巨大ダム・堰事業の中止を、取り上げるか否か、またその公約を守るか否かが、重要な試金石になるであろう。
 東海地域においては、徳山ダムの中止・継続はもっとも重要な争点のひとつであり、徳山ダムに関するマニフェストによって、各政党の住民・国民の改革要求に対する姿勢が鮮明になるといってよい。」


徳山村キャンプ−8月23日・24日

今年も「塚」でキャンプをしました。62名の参加。「my箸・myコップ・my皿」も、まあまあ準備されたようでした。来年以降は一層のエコキャンプを試みるつもりです。
23日夕方に、クマタカ(尾根の向こう側)とオオタカ(尾根のこちら側)を観察することができました。昨年に続いて深夜の国道417号線の「お散歩」をしました。国道をどちらに行っても街といえる所は20km〜30km離れています。その暗闇だからこそ一切灯りなしでも道は見え、歩くことができます。川は光って見えます。ちょうど火星大接近の時。火星は本当に明るく見えました。
谷の開けた(揖斐川が流れている)南の方角に人工的な街灯りが空を照らして−隠して−いるのが分かります。「文明の光」で何を得て何を失ったかを、見つめ直さなければならないということを教えられます。
塚地区での付け替え道路建設のための工事用道路が山の斜面の至る所を削っています。ブッポウソウの声を聞くことができませんでした。
一瞬でも早く工事を止めて、鳥たち獣たちに戻ってきて欲しい。

徳山ダム工事現場のクマタカ衰弱死

6月26日に徳山ダム工事現場で衰弱してカラスにつつかれているクマタカが発見され、保護されました。結局このクマタカは飢餓によって衰弱死。徳山ダム建設工事は確実に絶滅危惧種を追いつめています。
当会として、水公団徳山ダム建設所、岐阜県自然環境森林室に質問書を出しました。回答は極めて不満足なものです。この問題も追及したいきます。


8月28日、岐阜県に対して申し入れ

当会(徳山ダム建設中止を求める会:代表・上田武夫)は、8月28日、岐阜県に対し、徳山ダム事業から撤退するよう求める申し入れ書を提出しました。(岐阜県側は、水資源課・上下水道課が出席)。
申入れ(1)徳山ダム事業実施計画変更に対して費用負担同意を与えないこと。
回答:1010億円増額される事業費の内容についての調査が出来ていないので、負担の同意はしていない。岐阜県としてフルプランの見直しを(平成27年の水需給想定調査)12月末までに出した上で3県1市と話し合い結論を出す。また、フルプラン改定の閣議決定を経てから事業実施計画変更・費用負担同意があると認識している。
申入れ(2)徳山ダム建設事業から撤退すること。
回答:撤退はしない。治水上中断も撤退もしないと治水を強調する発言があった。(中断したりすれば治水上の瑕疵を問われかねない。)

話し合いの中で、次のようなことが明らかになりました。

@ フルプランを策定する際、利水に関する数値を各自治体から聞き取りをしない。県独自で数値を出す。また、策定結果を自治体に知らせることもしない。
A ただし、自治体からは渇水対策として新たな水源を確保したいとの要望がでている。(具体的な数値要望はなく、県から確認することもない。)
B 「治水からの撤退」は法律的にありえないのに、わざわざ治水に言及したのは「利水がなくなれば徳山ダムがこける」ことをいみじくも認めたようなもの。
C 申入れの回答で、費用負担増の同意はしいないといいつつ、撤退はしないということは矛盾しないか?との問いに対して無言・・・。
 1010億円をいくらか減額したら費用負担を同意するということか?という問いに対しても無言。
D 総事業費2540億円が事業実施の契約の原点であるとの認識がない。
E「撤退ルール」の説明は、水公団からはなく、厚労省、経産省から聞いたとのこと。
F 上水道の場合、建設費の負担は受益者負担となることが明確である故、蛇口での水価を、現行と新水源となった場合とを最終需要者である市民に提示し判断させるべきではないのか?に対しても無言。

利水者・2県1市で一斉監査請求へ

徳山ダム事業費 増額巡り監査請求へ
 ◇住民ら 「水の需要ない」
 岐阜県藤橋村の徳山ダムの総事業費が約一千十億円増額された問題で、追加負担を迫られている愛知、岐阜県と名古屋市の住民は五日までに、二県と同市に対し、「ダム水の需要はない」として、増額分の支出差し止めを求める住民監査請求をする方針を固めた。名古屋市民オンブズマンが賛同者を募っており、今月中旬、一斉に監査請求する。
(10月6日付読売新聞記事より)

☆ 緊急のお願い!岐阜県・名古屋市・愛知県の方、監査請求人になって下さい。
☆ 「徳山ダム問題」の「出前講座」。学習会を設定して頂ければ講師派遣します。
 当会又は「徳山ダムをやめさせる会」にお気軽にご相談下さい。

「やめよ!徳山ダム」 徳山ダム建設中止を求める会 代表:上田武夫
    編集責任:近藤ゆり子


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