徳山ダム建設中止を求める会・事務局ホームページ



   岐阜県知事 梶原 拓 様

                                             2003年8月28日

                                  徳山ダム建設中止を求める会(代表:上田武夫)
                           
                                     申 入 書
                                       
 8月8日、水資源開発公団は徳山ダム総事業費が、現行の事業実施計画の2540億円より1010億円増えて、3550億円になるとの算定を発表しました。
 ダム事業における「事業費」は水価、費用対効果等を検討する上で最も重要な要素です。このような大幅な増額が示された以上、事業費を負担する岐阜県は、徳山ダム事業からの撤退も視野に入れて、根本的な見直しの必要に迫られています。
 事業費の増額は住民負担の増大を意味します。そして県財政状態が極めて厳しいことから、これまで以上に「お金の使い方(優先順位)」の議論が必要とされています。財政における民主主義を保障するためにも、時間をかけて、広範な住民・納税者の議論に付すべきです。

 将来にわたって都市用水需要の増加が見込めないことは、すでに全国的な常識です。
そして、徳山ダムの水が供給されるという大垣地域は地下水の豊かさで知られる地域です。大垣地域住民は、豊かな水を誇りとしています。この水源を放棄するなど想像もできません。
 昨年9月「岐阜県が徳山ダムからの水道水が必要とする根拠は『岐阜県水資源長期需給計画(1994年)』である」とのことなので、「(3)大垣地域 水道用水は、基準年(1990年)に対して平成22年では、60%…増加する見込みである」(P28)の根拠をお尋ねすると、2時間にわたる沈黙及び情報公開拒否(=「事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれ」)というご回答でした。つまり、大垣地域に徳山ダムからの水道水を必要とする科学的・客観的根拠は、当初から存在しないということです。そして、1990年(=バブル経済の頂点)を基準とした計画を見直すことなく右肩上がりの将来予測することは、不適切を通り越して犯罪的とも言えます。
(工業用水について:工場の撤退により工業用水の揚水量は著しく減っています。企業に対して強制的な地下水揚水禁止をしない限り、「徳山ダムの水を水源とする工業用水道の需要」が発生する余地はありません。強制的な揚水禁止は、大垣地域の企業を追い出すことに繋がるでしょう。それが岐阜県の方針なのでしょうか)

 岐阜県は抜本的に水需給計画を変更しなければなりません。その作業と検証もないうちに、大幅な費用負担増額に同意を与えるなどということがあってはなりません。拙速は禁物です。じっくりと水需給と財政を厳密に検討しなければなりません。
 その間は工事を凍結し、自然環境、洪水対策等の問題も含めて、幅広い市民とともに、原則からの論議を行うべきです。

 私たちは以下のことを申し入れます。

1.徳山ダム事業実施計画変更に対して費用負担同意を与えないこと。
2.徳山ダム建設事業から撤退すること。

                                  以上

連絡先:徳山ダム建設中止を求める会(代表:上田武夫) 事務局 近藤ゆり子




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