声 明
2004年3月9日
徳山ダム建設中止を求める会(代表:上田武夫)
梶原拓岐阜県知事は、本日の県議会で、徳山ダムからの利水計画の大幅下方修正を表明した。
岐阜県は、1997-98年のフルプラン及び事業実施計画変更時において、そして2001年の事業再評価時において、1994年策定の「岐阜県水資源長期需給計画」を根拠として「徳山ダムの水が要る」と言い張って来たが、それが過大・架空のものであったことを自ら証明した。
同時に、この「下方修正」においてもなお「徳山ダムの水が要る」と言い募っていることは噴飯ものである。
2015年において、大垣地域の水道の日最大19万m3という予測は、全国でも最低レベルのこの地域の有収率の向上の可能性を無視し、さらにありえないほど小さな負荷率を前提としたものである。この地域に新たな水道水源など必要ないし、揖斐川の表流水を水道水として使うための専用施設に投資するお金もない(大垣市は、この3月末で終了するはずの第4次変更計画を全く達成出来ていない…水需要が伸びないので計画を達成するお金も必要もないからである)。工業用水においては、新規に工業用水道事業を展開する投資分に見合う需要が発生するはずがない(もし現在の地下水揚水を規制し、揚水を減らすことを企業に求めたら、企業は低い回収率を上げることで対応することは明らかである。高額にならざるをえない工業用水を「買う」企業が現れるはずがない)。
愛知県に続いて岐阜県も利水計画の大幅下方修正を表明したことで、木曽川水系水資源開発基本計画に基づく水資源開発施設である徳山ダムは計画の根本からの見直しを迫られている。
だが、国交省中部地整・水機構・岐阜県などは、フルプランに全部変更において利水容量を治水容量に振り替えることで、ダム建設を強行しようとしている。
私たちは、利水容量から治水容量への大幅振り替えは「治水計画の変更」に他ならない(少なくとも徳山ダム審議委員会で「説明」した「治水計画」とは異なる)と考える。そして、揖斐川流域住民としては、最上流部のダムに大きな洪水調節機能を負わせるような危険な「治水計画」は容認しえない。
1997年の河川法改正にあたって当時の建設省河川局は「治水計画の変更にあたっては、学識者及び住民の皆様のご意見を頂きます」と「河川法16条の2」の意義を説明していた。
今こそ、河川法16条の2の趣旨に則った手続き(開かれた流域委員会の設置を含む)を開始すべきであり、その結論が出るまでは、徳山ダム建設工事は凍結すべきである。
私たちは、国交省をはじめとする関係諸機関に次のことを要求する。
(1)徳山ダム建設工事を直ちに凍結すること。04年度の予算93億円は、工事凍結のために使うこと。
(2)改正河川法16条の2の趣旨に則った流域委員会等の準備を直ちに開始すること。
(3)工事を凍結した環境下で、環境アセスメント(大型猛禽類調査を含む)を行うこと。
以上
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