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徳山ダム、監視委が事業費増額を了承
水資源機構が岐阜県藤橋村に建設している徳山ダムの事業費増額問題などを審議している国土交通省中部地方整備局の第三者機関「事業評価監視委員会」(網中政機委員長)が三十日、名古屋市で開かれ、監視委は事業費増を了承した。関係県市の水需要調査と、それに基づくダム事業実施計画の変更が反映されないままでの結論となり、監視委のあり方が問われそうだ。
同機構が増額分を来年度政府予算案に計上するには、年末に迫る財務省原案内示までに監視委の了承を得る必要があり、議論されるべき事業実施計画の変更が伴わないまま見切り発車で結論を出す事態になった。
同機構は、工法変更などで増額分の千十億円のうち五十億円を削減し、九百六十億円(総事業費三千五百億円)とする修正案を提示。水需要の落ち込みにより利水容量の下方修正が確実視される点については、下流の横山ダムからかんがい容量を振り替えるなどして両ダムの治水容量を増やす案を提示。計画規模を維持する姿勢を示した。
しかし、事業実施計画変更のたたき台となる岐阜、愛知県と名古屋市の水需要調査はまとまっておらず、具体的な治水、利水容量が示されないまま監視委は議論。予算編成の日程に配慮して「事業費変更については、やむを得ないものとして了承する」とした。
徳山ダム建設事業費の現行予算枠での残額は約九十億円で、同機構は八月下旬の政府予算概算要求で増額分から百八十億円を盛り込んでいる。
<事業評価監視委員会> 公共事業の再評価で、事業実施者が意見を聴く第三者機関。監視委意見は尊重される。徳山ダムは1997年度の「建設事業審議委員会」を含め2度の再評価を受け、いずれも「事業継続」とされた。今回監視委は学識者、弁護士、自治体首長、建築家ら11人で構成。
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