やめよ!徳山ダム No.67 (2006. 4.19)


 徳山ダム裁判控訴審

行政訴訟 判決言い渡し 7月6日(木) 13:30〜
住民訴訟 判決言い渡し延期(現時点で未定)

 住民訴訟判決延期の理由は不明です。急に判決言い渡し期日が告知されるかもしれません。どちらも、判決内容によっては上告受理申立をします(この申立までは控訴審の委任状によって委任済みです。上告するとなれば、その旨お知らせし、「理由書」提出までに、正式の上告の委任状を頂きます 。控訴人の方、よろしくお願いいたします。

 まだまだやるぞ!
 
 恒例:徳山村キャンプ 8月19日(土)〜20日(日)

 水機構・国交省は、解決すべき問題を何ら解決しないまま、秋から湛水を強行しようとしています。 来年のキャンプは可能なのか? 「最後」にしない運動を続けていきます。是非ご参加下さい。19日(土)13時 JR大垣駅北口集合出発。20日(日)の午後の早め帰着。参加費:3000円〜3500円程度(子供は無料)。食事・飲み物は準備します。参加者各自が用意するもの:寝袋or毛布。長袖シャツ。雨具など。<できるだけ> my箸、 myコップ、my皿。 また、テント、シートがあれば。お申込み・お問合せは、事務局・近藤へ


村瀬惣一さんを偲ぶ会 ― 遺作パステル画展
 〜多くの方が故人の生き方に学び、想いを新たにしました〜

             《 企画し、実行して下さった田中万寿さんから 》

 3月21日の「村瀬惣一さんを偲ぶ会ークレパス画遺作展」は無事終わりました。
 村瀬さんは,葬儀も知らせるなという遺志で去って逝かれました。今回の偲ぶ会は,「訴える会」ではないということで,報道関係にはこちらから積極的に知らせることはしませんでした。村瀬さんと縁のあった様々なグループの通信やHPでの紹介や,口コミで広めていただきました。関わっていただいたみなさんに感謝いたします。ありがとうございました。
 約130〜140名ほどの方が絵を見てくださいました。
 惣一さんと絵を描きに行ったとなつかしそうに絵の前でたたずんでいた人。たけのさんと黒野尋常小学校でクラスは違ったけれど一緒だったという男性。三重や大阪から来て下さったという電通青年部時代の仲間。社会党時代の同僚。親戚,近所の人たち。長良川や徳山の仲間,同志たち。何度も取材で世話になったという報道関係者など,多彩な顔ぶれでした。
 3時からはじめた「偲ぶ会」は30人ほどが参加。1時間程度の予定が2時間にも及びました。参加者が村瀬さんを語る一言一言が,戦前から今までの社会と,そこに生きた人の軌跡を浮かび上がらせました。参加者の皆様のおかげで,あたたかい,深みのある「偲ぶ会」になったと思います。
 ご家族の方に、準備から後片付けまで本当に一生懸命協力してやっていただいたことも,予想外のうれしいことでした。家族の方も,2,3枚を除いて,今までこれらの絵を見たことがなかったそうです。
 展示した絵は戦前の水彩画(戦時中,幼い弟さんが母親と大八車で運んだらしい)と,60歳をすぎ,社民連も辞め,長良川河口堰裁判だけに関わっていた頃(新しい反対運動の始まる前,在間さんと村瀬さんだけでほそぼそ続けていた裁判の冬の時代)に描かれたと思われるクレパス画の49点でした。雑誌太陽 や朝日グラフなどの写真を元に描かれたパリの路地裏や人々を描いた絵は,色彩 も含め村瀬さんの世界を感じさせるものでした。
一度も訪れたことのない憧れの地を,時空を超えて旅をしておられたようです。
展示してあった絵は,希望者にほとんどもらわれていきました。

 <追記>
 村瀬さんの自宅にあった膨大な長良川河口堰裁判,運動資料,政党関係の資料は日本自然保護協会の「河口堰10年を検証する」プロジェクトの資料収集の一環に位置づけされ,目下整理中です。段ボール200箱以上の作業は半年以上かかりそうです。目録を作り,重要なものはCD化し,誰でも利用でき,今後の研究などに役立てるようにするとのこと。この作業のあと,必要と思われるものは,岐阜大学の地域情報・資料センターに引き取られる予定です。               (田中万寿)

3/31 長良川河口堰住民訴訟・三重 上告棄却
 〜 30年間の長良川河口堰裁判が終わりました 〜

《 在間正史弁護士から 》
皆様
 新聞報道でご存じのことと思いますが、長良川河口堰住民訴訟・三重の最高裁決定があり、上告棄却でした。これで原告住民敗訴が確定しました。予想されたこととはいえ、残念です。それ以上に、何も見ず、見ようとせず、審理されていないことが腹立たしい。
 朝日新聞にあるように、漁協の差止訴訟以来30年にわたって断続的に続けられてきた、長良川河口堰に関する訴訟が全て終わりました(これから新たな訴訟をしない限り)。
 私は、その大半を故村瀬惣一さんという得難い仲間を得て、止めることなく続けることができました。これも、裁判所まで足を運び、また、訴訟サポートをしていただいた皆様おかげです。心から感謝とお礼を申しあげます。
 私にとってなによりも辛いのは、訴訟が敗訴になったことよりも、訴訟が無くなってしまったことです。これで、長良川河口堰を見続け、問い続ける窓が無くなってしまいました。河口堰問題が、社会の忘却のうちに、行政の闇の中で片づけられはしないかと危惧しています。

《 大森恵さん(桑名市議)−この訴訟の原告−から 》
 在間さん、30年の長きにわたって裁判の場で果敢に綿密に弁論を展開していただき有難うございました。裁判の継続の中で理論化され証明されたことが、反対運動の科学的主張に大きな力をあたえてもらいました。
 今もその科学的理論で、環境問題、利水問題を発言し続けることが出来るのです。
 昨年の桑名市議会9月議会で、長島町の自民党支部長の堀議員が「長良川が臭くて川の仕事にならない。なんとかせよ」と一般質問をしていました。今年の3月議会では同じ自民党長島の清水議員が「十万山が消滅している。とめる手立てを講ぜよ」と一般質問していました。ゲート締め切り後11年たって、推進派だった人々の危機感が出始めました。
 これらの問題も裁判でまた運動で提起してきたことばかりでした。
 今後は悪化してゆく長良川の現実に即してご助言をいただきたいとお願いいたします。

《 近藤から 》 
 ”たすきをつないで”の長い裁判、お疲れ様でした。長良川河口堰の闘いが、河川行政を変えた! と、一面だけ捉えては真実ではないし、変化した河川行政も「政治の壁」で右往左往しています。でも、長良川河口堰裁判は、河川行政の転換に確かな足跡を残しました。
 「河口堰問題が、社会の忘却のうちに、行政の闇の中で片づけられはしないか」という危惧も理解できないでもありません。長良川河口堰裁判の「中味の濃さ・重さ」は、もしかすると、河川官僚のみが知っているのにすぎないのか?
 しかし、日本の河川行政のあり方を真面目に辿る人なら、必ず長良川河口堰裁判に行きあたります。これからの河川行政は、社会的合意なしには進まない。今は怪しげな社会的合意形成で誤魔化そうとしていますが、事実として頻発する災害で、インチキ「合意」は破綻する・・・社会的conflictにならざるを得ない。そのときこそこの裁判の足跡の「出番」です。
 村瀬さんと在間さんの二人三脚−長良川河口堰裁判は、後世に残る大事業でした。

「有害物質を揖斐川に溶出させてはいけない!湛水開始を強行するな!
       〜問題は以前から指摘されていた〜」

 2月23日の「徳山ダム廃棄物対策検討委員会」の報道を受けて、声明を出しました。
 水機構、国土交通省、環境省、岐阜県などに送付しました。


声  明

 報道によると、徳山ダム水没予定地4地区において、有害物質が環境基準を上回ることが確認された、という。
 旧徳山村−徳山ダム集水域における廃棄物−有害物質の問題は、ずっと以前から旧村民よって指摘され、岐阜県議会でも採り上げられた。私たちもこのことにつき、再三にわたって、岐阜県及び水資源機構に、問題の所在を指摘してきたが、常に「調査の上、適切に対処します」という類の回答であった。

 今、岐阜県及び周辺県で、有害な産業廃棄物の大量不法投棄事件が次々と発覚している。これらの不法投棄事件に関して、「水」を媒介として、健康被害が生じる可能性は行政も明確に認めているところである。
 徳山ダム集水域の場合、これらの多くの事例以上の問題が存在する。
 ダムに湛水すれば、問題箇所は、数気圧〜十数気圧の大きな圧力かかるのである。このような大きな圧力のかかった水が浸透で、「普通」なら溶出しないものも、溶出する条件が生じると考えられる。
 この有害物質を含む危険な水が、表流水として揖斐川に流れ、また地下水として西濃地域の地下水に混ざる。
 まさに揖斐川流域住民44万人に生命の安全を脅かす大問題である。

 徳山ダムは、水資源開発促進法に基づく水資源開発施設である(だから水資源機構が事業者なのである。「揖斐川流域44万人を洪水から守る」目的は付加されたものにすぎず、主目的ではない)。しかし、この水を「是非使いたい」ところは、どこにも存在しないのである。付加的な「洪水調節」も、最上流部の巨大ダムでは、意味は雨水。根尾川型洪水(2002年7月の荒崎水害の洪水は、まさにこの型の洪水)では、揖斐川本流最上流部のダムでは役に立たない(資料の数字に現れている)。
 真に揖斐川流域住民の生命の安全を考えるなら、この有害物質の完全な除去に至るまで、絶対に湛水を開始してはならない。

 不必要なダムを「完成させる」ために、将来世代に大きな財政負担を押しつけ、貴重な生態系を破壊し、今なお旧徳山村民の心を傷つけ続けている。
 さらに流域住民の生命をも脅かすものであることが、明らかになってきた。

 今年中に、徳山ダムの試験湛水を開始する、というのは、あらゆる意味で無謀であり、不法である。
 水資源機構・国土交通省は、徳山ダムの湛水開始を強行するな!

2006年2月24日

徳山ダム建設中止を求める会

環境省に要望書を出します
 日本は「生物多様性条約」を批准し、絶滅危惧種の保全を国際的に約束している。
 湛水という自然大改変にあたり、国として絶滅危惧種であるイヌワシ・クマタカの棲息を保全する施策はあるのか。 
 昨年11月21日に国土交通省に申し入れたもの基礎に、「生態系保全に責任をもつ行政庁としての環境省]に、手をこまねいて絶滅を「見守るだけ」に終わらぬよう求めます。(連休前の予定。日程が決まったら、メール等でお知らせします)


徳山ダム建設中止を求める会 代表:上田武夫
                      編集責任:近藤ゆり子


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