やめよ!徳山ダム No.50 (2003. 2.26)


 徳山ダム裁判 初秋にも同時判決/行政訴訟に続いて住民訴訟も結審へ

行政訴訟(事業認定取消訴訟・収用裁決取消訴訟)は昨年12月25日に正式結審しました(*)。これを受けて、1月17日、住民訴訟(「徳山ダム工業用水道水源費負担分」公金支出差止訴訟:被告=岐阜県)の弁論準備手続で、裁判長は同時判決をしたいから、住民訴訟の結審の期日も決めたいと言い出しました。急遽「2月26日証人尋問、3月26日結審」が決まりました。

☆3月26日(水)13時10分〜岐阜地裁 住民訴訟 結審  是非傍聴を!

(*)被告側は代理人は「12月18日付の原告側の『最終準備書面 補充書2』に対する反論−『被告側最終準備書面 補充書2』を出したい」と主張。「12月25日の1週間前までに書面は出し尽くすという約束だったはず。被告側の言い分を聞いていたらエンドレスになる」と原告側代理人は反発。結局「1月17日までに被告側が補充書2を出す。原告側がそれに反論があればその2週間後までに出す」と決まりました。
頑張って出すのだから被告側の『補充書2』はさぞかし骨太の反論なのか思ったら、それまでの主張の、あまり出来の良くない焼き直し。今後も水需要が伸びる理由として強調したのが「朝シャン・ガーデニング」です(「シャワー付き洗面台が増加している。不況で個人消費が落ち込む中でガーデニング用品は売上が伸びている。」「朝シャン1回で120gの水を使う。」)被告側は追い込まれて、とうとうここまで議論をねじ曲げ、矮小化してしまいました。一つの村を完全に潰し、数千億円の公金を投入し、生態系を破壊して6億6000万トンの巨大ダムを作る理由が「朝シャン・ガーデニング」とは!! ちなみに家庭用風呂に入れる水は大体200g。シャワー付き洗面台で120gもの湯を使ってシャンプーをしたら、多分洗面台の周囲も本人もびしょ濡れになる。朝の忙しいときにそんな「朝シャン」をする人がどんどん増えるという「予測」は荒唐無稽です。

 今、私たちの人権・生活・平和が、とても危険な状態です。

「イラク攻撃」/有事法制3法案/教育基本法「改正」/住基ネット・個人情報保護法/etc.

  しのびよる危ない国家を考える3.21市民集会

内容 風刺コント マツモト ヒロさん(元ニュースペーパー 現在ソロ活動中)
   講演    鎌田 慧さん
とき:3月21日(金・春分の日)18:00〜20:30
ところ:県民ふれあい会館・大集会室(県庁西500m) 西岐阜駅からバスあり。

主催/3.21市民集会実行委員会(徳山ダム建設中止を求める会もメンバーです)

岐阜県 大垣地域の水需要予測データを「非公開」に!

「公開することにより、事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある」
−前号から続く−
(2002.9.25)岐阜県水資源課:「徳山ダムの水が要る根拠は『H6岐阜県水資源長期需給計画』だ」
(2002.11.5)当会→水資源課 『計画』の具体的箇所を示してバックデータを要求
(2002.11.29)岐阜県→当会 「数値は、各水道事業者(市町村)ごとに積み上げた数値を元にして作成されて市町村により異なっており、一概に答えることはできません。また、根拠資料の存在は、調査しなければわかりません。」
(2002.12.16) 資料が存在するか否かも隠されては困ると思い、近藤個人で情報公開請求。当該情報は、H7年以前の情報だから任意公開にしかならず非公開に対する異議申立はできない(情報公開条例の適用外である)とのこと。
(2003.1.29)岐阜県情報公開窓口(上下水道課)→近藤
「岐阜県水資源長期受(ママ)給計画のバックデータ(大垣地域の上水道について)に対する回答
平成14年12月16日付けで公開の申し出のありました公文書の公開については、次のとおり非公開にすることとしましたので回答します。
公開をしない理由:岐阜県情報公開条例第6条第6号に該当
(理由)公開することにより、事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある情報」

バックデータというのは客観的・科学的資料のはずです。その情報を公開すると事業の適正な遂行ができなくなるというのは、何とも不思議な言い分です。9年も前に公表され、それをもとに様々な計画が立てられている「岐阜県水資源長期需給計画」の根拠は県民に見せない、というのは実に恐ろしい秘密主義です。前述したようにこの「非公開」決定には不服申立の方法がないのです。しかしこんな情報隠しがまかり通ることは許せません。

  民主党岐阜県連に公開要請書を提出

民主党は中央レベルでは「徳山ダムは工事凍結・全面的見直し」という方針を掲げながら、岐阜県では「推進」をしているという、誠に分かりにくい姿勢です。しかし、公共事業の透明性を確保するべきだ、という点は一致しているはずです。
2月26日に、民主党岐阜県連の事務所を訪れ、「公開要請書」を提出して、民主党が岐阜県の「情報隠し」を改めさせるように動くことを要請します。

公開要請書抜粋  
民主党岐阜県連御中
   岐阜県当局に対し、隠された情報を公開するように働きかけて下さい
                        −「透明性」は公共事業遂行の最低条件です
これからは・・・大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした「成長」は考えられません。資源やエネルギーの消費を節減した環境重視の循環型社会へと向かうべき・・・ときに、具体的な水需要の全く存在しない巨大な水ガメ−徳山ダムを建設して、自然環境を大きく破壊し、住民に長期にわたる多大な財政負担を強いるのは時代錯誤です。
 ・・・バックデータ・・・を公開すると事業の適正な遂行ができなくなるというのは、一体どういう事業なのでしょう。
徳山ダム建設については貴党内部にもいろいろなご意見があるやに聞いておりますが、公共事業の透明性を確保しなければならないという点において貴党内に異論があるとは思えません。岐阜県議会で与党を形成する貴党としての責任において、隠された情報を表に出すべく、岐阜県議会及び国会でこの問題を追及して頂きたくお願い申し上げます。


 「大垣市の水道料金は4倍から4.5倍になる」
                            ・・・ 大垣市反論せず

大垣市は「現在の水源で不足するという予測は存在しないが、徳山ダムの水利権は確保する」「応分の負担はする」としながら、住民負担については「何も分からない」と言い続けています。「何も分からない」のなら水利権を確保するか否かも「分からない、白紙」でなければ辻褄が合いません。
しびれを切らして、私たちなりの「試算」をすると水道料金が4倍から4.5倍になるという恐ろしい数字が出ます。2月17日、予め示した「試算」について「おかしいところは指摘して下さい」と迫りましたが、大垣市の担当者は「何も決まっていないから分からない」を繰り返すばかりでした。
とりあえず、大垣市以外の13町及び上石津町(法定合併協の一員)に「試算」を送り、各町及び合併協の場で徳山ダムの負担と水道料金を検討するように要請しました。

<大垣市水道料金の試算>
1.水源費及び諸施設の設備投資
@ 徳山ダムから岐阜県が取得する1.5m3/秒の水道水の負担分は41/1000。
 徳山ダム総事業費を2540億円(1985年)とした場合、水源費負担金は約104億円。水道水は国からの補助金が1/3あるが、22年償還で金利が加わるので126億円になる。
A 徳山ダム建設費は本体着工前に80%以上使ってしまっているので、2540億円では済まない。3500億円〜4000億円程度になると思われる。そうすると水源費は170億円〜200億円ほどになる。
B 徳山ダムの水を水道水として使うためには、揖斐川から大垣地域1市13町に水を引いて供給する施設が必要となる。
 長良川河口堰の例では、導水事業のための追加投資は、愛知県が328億円、三重県中勢(45km)が754億円、北勢が474億円。長良川河口堰の場合は取水施設には新たな投資はなく、また愛知県の場合は既設の浄水場までの導水事業である。
 徳山ダムからの水の取水施設の位置を大垣市北部辺りと考えると、関ヶ原方向に約20km、海津方向に約30kmの導水施設が必要である。また徳山ダム−大垣地域の場合は、取水施設、導水施設、浄水施設のすべてを新設しなければならない(*)。このため控えめに見積もっても600億円〜700億円程度の追加投資が必要となる。
    *既設の西濃用水の取水施設が利用できるとすると、取水施設費用は安くなるが、     導水距離が長くなる。
 これら追加投資は、通例、30%が国の補助、40%が起債、30%が自己資金。@の水源費と同様、補助金を引いても金利(20年償還として)が加わると、もとの1.2倍ほどになるので約720億円〜840億円。
C よって水源費負担分と追加投資で合わせて890億円〜1040億円。
 給水人口32万人で割ると、一人当たり28万円〜32万円。
2.大垣市の場合
 28万円〜32万円/人×給水人口14万4000人=400億円〜460億円
 400億円〜460億円÷(年間給水量2200万m3×20年)
                                 =91円〜105円/m3
 一般的な水道事業において、料金中に占める固定資産の割合は1/3程度。
 従って、1m3当たり273円〜315円の値上げとなる。現行料金の90円/m3が360円/m3〜405円/m3に、つまり4倍〜4.5倍となる。
 大垣市の一人1日平均給水量は416g、2ヶ月で約25m3。そうすると、2ヶ月分(*)で、1人当たり6800円から7900円の負担増、4人世帯で27000円〜32000円の負担増となる。  *大垣市水道料金の検針及び請求は2ヶ月毎。


2002年 会計報告

 会費・カンパ 1,002,591  弁護団へ 500,000
- -  他の団体へ 138,520
- -  通信費 285,007
- -  消耗品費 31,586
- -  会場費 45,292
- -  資料費 43,175
- -  印刷費 90,400
- -  その他 5,776
 計 1,002,591  計 1,139,756
収入    1,002,591 支出    1,139,756
△ 137,165

単位/円

2002年から繰り越し  現金 99,659
 郵便局口座 512,817
 銀行口座 5,759
2003年への繰り入れ  現金 76,234
 郵便口座 399,077
 銀行口座 5,759



「徳山ダム建設中止を求める会」の活動は、市民の援助で支えられています。


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