やめよ!徳山ダム No.48 (2002. 9.30)

 徳山ダム裁判・行政訴訟 事実上の 結審
  10月9日(水)午前11時〜岐阜地裁  是非傍聴を!

10月9日(水)午前11時から岐阜地裁で、行政訴訟(事業認定取消訴訟・収用裁決取消訴訟)の口頭弁論が開かれます。この日に、原告側・被告側双方から同時に最終準備書面を提出し、事実上結審します。原告(上田武夫氏・村瀬惣一氏)及び弁護団からの口頭での意見陳述があります。是非傍聴して下さい。このあと(最終準備書面に裁判所が目を通してから)、双方に質問をする期日を1回とって結審する予定。判決は来春か?

この裁判を通して、原告側は「水資源公団を事業者とする水資源開発ダム・徳山ダムの受水予定地域において水需要が全く存在しない」、「事業認定時(1998年12月)にはそのことは明白であった」ことを科学的に明らかにしてきました。主目的である新規利水の必要性が全くない(遠い将来に至るまで一滴の取水の予定もない)以上、当該事業認定は違法です。
被告側は「予測というものは(実績と乖離してしまっても)予測の方法に相当程度の合理性があれば違法ではない」と言います。結果(実績)によって明らかに否定されている直線的右肩上がりの予測でも「予測の方法に合理性がある」というのです。結果責任を一度も引き受けたことのない「国」ならではの主張です。

原告の方々には上田武夫氏・村瀬惣一氏の意見陳述の原稿を同封します。弁護団による最終準備書面もお送りしようと思ったのですが、100頁を超える大部のものとなりそうなのでコピー・製本・郵送が大変です。10月9日を過ぎてから当会のホームページに掲載する予定ですので、できるだけそちらをご利用下さい。インターネットを利用されない方、紙媒体で欲しいという方は(原告以外でも)事務局にご連絡下さい。

◎ 公金支出差止訴訟(住民訴訟)   次回   10月18日(金)16時

  徳山ダム新規利水は根拠なし?

9月25日14時、岐阜県水資源課(課長補佐、他4名)と当会(会長、他7名)が会合し、その席上予め提出した質問書(別記)に対する回答が書面で示された。この回答書によると、「1994年(平成6年)3月に策定した『岐阜県水資源長期需給計画』で大垣地域の上水道需要量の推計をしている」とのこと。この『計画』は、別記質問書にもあるとおりとてつもなく過大な計画で、我々が大垣地域14市町から聴き取った調査結果からは、とても推計しうる需要量ではない。
また、今後増額されると予測されるダムの総建設費に伴う水道水源費負担については、水資源開発公団から総建設費の改定額提示が無いのでわからない。引き続き公団にコスト縮減を働きかけるとしている。本当に働きかけをしているのかは、定かではない。給水の為の新たな水道施設の建設費については、各自治体がどの程度受水するのか確定していないので、現段階では算定困難であると言う。
このように、総ての質問に対して誠意が感じられない具体性の無い回答ばかりであった。これに対して我々メンバーは、具体的な数値を持って回答するよう要求し、返答を待ちましたが、2時間ほど無言のまま過ぎ、挙句の果て蚊の鳴くような声で『これ以上の回答は無い。』と返答されたが、納得できないとして1時間後に上司と相談の上責任ある回答をするよう申し入れた。
1時間後の会談の結果、即答できる内容ではないので、後日、会談日を含めて連絡する旨返答があった。                                      
この日の会談で明らかになったことは、水需要計画を立案するについて、県は給水地域の自治体と協議することも無く、独自の根拠に乏しい過大予測に基づいて水利権を確保したのではないか。否、初めにダム建設があって、その後で工業用水量はこれだけ、上水道用水はこれだけと決め、2県1市に割り振ったと推測すれば総て符号があうような計画のように思えてなりませんでした。このように杜撰と思われる水行政に厳しい目を向け、糺していかなければならないし、徳山ダム建設中止を強く求めていくことを再確認した。(海野修治)

   徳山ダムにかかる大垣地域の新規利水(水道水)に関する質問書
                                 2002年9月9日
 岐阜県知事 梶原 拓 様                  徳山ダム建設中止を求める会

私たちは岐阜県民として、徳山ダム建設には多くの疑義をもっています。その一つとして「徳山ダムが完成すると、大垣地域14市町の水道の水源として徳山ダムの水1.5m3/秒を使う」ということがあります。地下水の豊かな大垣地域でわざわざ徳山ダムの水を買わなくてはならないというのは納得できません。
以前に岐阜県・水資源課に伺ったところでは「地元に水需要がある」、「水源費は水の供給を受ける市町が負担する」とのお返事でしたので、私たちは14市町の首長を訪ねてまわりました。その結果、新たな上水道水源の必要があって県に水源確保を要望したところは一つもないことが分かりました。さらに「県からは何も聞いていない」とのことで、ダムの水を使用することによる負担については考えていないことも分かりました。
一方、岐阜県は1994(平成6)年3月の「岐阜県水資源長期需給計画」(=基準年1990年)で、2010年の大垣地域の水道水需要が1990年実績の1.6倍になるという過大な予測を行っていますが、これは実績によって否定されているはずです。第6次総合計画に向けて水需要予測の見直し作業を行っていると伺ってからも大分時間が過ぎましたが新しい需要予測は発表されていません。
岐阜県が、自治体との連携もなく、独自の過大予測に基づいて「徳山ダムの水が必要だ」と言っている状態は、県民として不安でなりません。お隣の三重県では長良川河口堰の水が余っています。河口堰から新たな水を受けることになる北勢地域自治体はあまりの負担の重さに耐えかねて悲鳴を上げ、中には受水を拒否する市もあって、導水事業が止まっています。自治体と住民は将来の負担増に脅え、県は自治体が負担するはずだった費用の肩代わりで苦しんでいます。不必要な水源開発のもたらした不幸です。
岐阜県でも、徳山ダムによって開発される水源は全く不必要です。地元自治体も負担に耐えられません。岐阜県は早急に不必要な水道水源を「返上」すべきだと考えます。

 以上を踏まえて質問いたします。
1.岐阜県が「地元に需要がある」といってきた根拠を示して下さい。
 (1) 私たちが14市町を廻った限りでは、岐阜県は14市町からの聴き取りを行っていない、ということです。水道事業者たる市町からの聴き取りなしに「地元に需要がある」といってきた根拠は何ですか。
 (2) 1994年の「岐阜県水資源長期需給計画」以降、 新たな水需要予測が発表されないのはどうしてですか。
2.徳山ダムの水を使うとなると、ダム建設費負担に加えて新たな水道施設(取水・導水・浄水施設)建設費負担が必要となります。
 (1) 徳山ダムの総建設費を2,540億円とした場合の岐阜県の水道水源費負担は126億円(=建設費負担分−補助金+金利)と聞いています。徳山ダムは今までに総建設費の94%以上を使っていますので、実際には2倍近くなるのではないかとも言われます。この点、県としてはいかがお考えですか。
 (2) 新たな水道施設(取水・導水・浄水施設)建設費の概算をいくらと見積もられていますか。
 (3) それらの負担は水道事業者としての自治体に(結局は水道料金として住民に)かかってくるという理解で間違いありませんか。
3.今後、大垣地域自治体が「水は要らない」と受水を拒否した場合、県としてはどのような対応をお考えですか。
4.全国各地で水需要予測の修正(過去の予測が過大であった)によるダム建設の中止・見直しが行われています。岐阜県においても水需要予測を早急に見直すとともに、徳山ダム建設の一時凍結を要望するべきだと考えますが、いかがですか。

  盛会・徳山村キャンプ8月24日・25日

今年も「塚」でキャンプをしました。64名の参加。毎回好評でリピーターが多く、口コミによる新参加者も加わって毎年十数名ずつ増えています(来年は80名になる?)。
前日の予報では雨の確率50%。雨が降るとバーベキューは台無しだし、そもそも64名もの人間が座る場所もない。決行すべきか否か、23日夜には運営委員が事務局に集まり、あちこちに電話で相談したりして、実に2時間半も悩みました。最後には参加予定の視覚障害者の方が雨降りでも参加したいという強い意向を示されたので、決行しました。
到着すると、利用したいと考えていた小屋のある場所に先客(動物調査のために来られたとか)が居て慌てました。道の反対側を少し降りた空き地をに移動しましたが、主催者側が雨に備えて考えていたのは「小屋」を利用してシートを差し掛ける方法。小屋が使えず、困ったなあ、と思う間もなく、参加者の方々がそれぞれ知恵と物と人手を出してシートで大屋根を作ってくれました。これぞ行動するNGOの面目躍如。感激。その後先客の方が場所を譲って下さることになりました。感謝。小屋とトイレが使えてほっとしました。
結局、24日には雨は降らず月も出ました。音楽やおしゃべりや月明かり下の深夜の自然体験など遅くまで楽しく過ごしました。25日も晴れてクマタカのペアの飛翔を見ることができました(オオタカのペアを間近に見た人も居た)。中止にしないで良かった!
反省点は使い捨ての食器を使ったのでゴミがたくさん出来てしまったこと。来年は参加者に「myコップ、my皿、my箸」を準備してもらおうと考えています。手頃な値段で使いやすいものをご存じでしたら是非教えて下さい。

 ◎ 水源連総会:10月26日・27日、建設中止が決まった清津川ダムの現場で。
 ◎ 原告会費未納の方、よろしくお願いします。一般会費・カンパの方もよろしく。

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