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岐阜 |
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徳山ダムで「ヤマネ」確認
市民団体・県ほ乳動物調査研究会
水資源機構が藤橋村に建設中の徳山ダムの水没予定地で、国の天然記念物で環境省のレッドデータブックで「凖絶滅危ぐ種」に指定されているヤマネの成獣が確認された。
確認したのは、県内のほ乳類の調査をしている市民団体「県ほ乳動物調査研究会」。十数年前から、ダム予定地周辺の標高三〇〇−四二〇メートル地点に巣箱を約四百個設置し、調べてきた。
九日にメンバー七人が、同村本郷の標高三七〇メートル付近の巣箱の中に巣を作って眠っているヤマネを確認。樹皮を繊維状にほぐして丸める巣の特徴と、手のひらに乗るくらいの大きさ、独特の背中の黒いラインで判断した。同ダムは二〇〇六年秋に本体建設が完了し、〇七年秋には標高四〇〇メートル地点まで水がためられる予定。同会の川崎立夫会長は「生息域が水没する影響は大きいと思う。水資源機構には本当の意味での生態系保全を考えてほしい」と話す。
ヤマネについては、水資源機構徳山ダム建設所が一九九六−二〇〇一年、水没予定地を含む周辺の森林で調査し、毛や巣材は見つかっていたが、実物は未確認だった。同所は「会に事実確認をしてから、保護対策の必要性も含め対策を検討したい」としている。
日本自然保護協会顧問の小原秀雄女子栄養大名誉教授(動物学)の話 水没はヤマネの生息には間違いなく影響する。時間をかけ生息環境などを調べる必要がある。
◆ヤマネ◆ 日本にだけ生息するげっ歯目ヤマネ科のほ乳類。成獣は体長約八センチ。褐色の毛で背中に一筋の黒線がある。北海道より南の森林に生息。夜行性で木の実などを食べ、木の上で生活する。
国の天然記念物ヤマネ(板取村で県ほ乳動物調査研究会が昨年撮影) |
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