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社会 |
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岐阜・徳山ダム上流
公有地化は「約束違反」
岐阜県藤橋村の徳山ダム上流域の山林公有地化事業は「約束違反」として、地権者の旧徳山村民らが5日、藤橋村役場とダム建設を進める水資源機構の徳山ダム建設所(同県揖斐川町)に白紙撤回を求める抗議行動をする。同事業は、当初予定された付け替え道路建設の代わりに決まった経緯があり、集団移転した旧村民は反発。予定通りの道路建設を求める。
ダム建設で水没する旧徳山村と旧水資源開発公団(現水資源機構)は1986(昭和61)年、公団が村有財産を補償することなどを定めた公共補償協定を締結。この中に、村道3路線と林道9路線の付け替え工事の実施が含まれていた。
しかし、旧村民が移転地で生活し、高齢化も進んで山林の管理が困難になるとの背景もあり県、藤橋村、公団などは公有地化の制度を適用することにし、2001年に藤橋村と公団が新協定を締結。付け替え道路は完成していた1路線しか建設されないことになった。
抗議行動の中心は櫨原地区の地権者ら。代表の島田正吾さん(52)=揖斐川町=は「公有地化の対象となる地域で材木を切り出したり、山菜を採って生計を立てている人もいる」と話している。
<徳山ダム上流域の山林公有地化事業> 付け替え道路建設に代わり、自然環境保全とダム事業費縮減を目的に旧建設省が2000年に設けた制度を適用。岐阜県がダム周辺の山林を取得、50年にわたって管理し人工林を天然林化する。取得するのは、ダムの貯水池部分を除く旧徳山村の民有林約180平方キロ。
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