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徳山ダム利水減の費用負担
国交省「適用せず」
愛知、岐阜両県が利水容量の一部返上を決めた徳山ダム(岐阜県藤橋村)をめぐり、国土交通省中部地方整備局は十一日、利水などから撤退した場合に一定の費用負担を求める水資源機構法施行令による「撤退ルール」について「適用はないだろう」との見解を示した。利水の一部撤退があってもダム規模を変更しない方針のため、新たな追加事業費が発生しないことなどが理由という。
同ダムの利水容量は、愛知県は現行の毎秒四トンから同二・三トンに、岐阜県は現行の同五トンから同二・六トンに減らし、名古屋市も削減方向で詰めの作業を行っている。
各自治体が利水容量を削減するとダム規模の縮小も可能。しかし、国交省は削減分は治水容量に振り向け、揖斐川流域の治水対策を強化する方針を既に示している。
撤退ルールを適用しない場合、利水の削減分は、治水分の負担額増につながる。治水分は国が七割負担に対し、恩恵を受ける東海三県の負担は三割で、うち三県の現行の費用負担割合は、岐阜74・3%、愛知7・3%、三重18・3%。治水だけの三重県は、負担額の増大が予想され、野呂昭彦知事は十一日の県議会本会議で「利水減量に伴う負担が県にとって過度で不公平な負担にならぬよう、国に申し入れている」と語った。
愛知県の担当者は「負担が適正になるか、まだ分からない。名古屋市の利水量など全体の利用計画が出そろってから協議を進めたい」。岐阜県は「必ずしも事業費負担が軽くなるとは限らない」としている。
◆徳山ダム費用負担 現行事業費(2540億円)のうち3県1市の負担額は、岐阜517億円、愛知208億円、三重62億円、名古屋186億円。水資源機構の960億円の事業費増額方針で、自治体などの負担額も増える。利水受益者の岐阜、愛知県と名古屋市の削減量が確定すると治水への振り向け分も固まり、国交省が新たな負担割合を決める。
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