徳山ダム建設中止を求める会・事務局ホームページ



シムポジウム「徳山ダムは名古屋の問題」報告 PartV

 シンポジウムの発表・議論の音声は、休止しています。

[収録内容:ディスカッション/53分(49.1MB)]


ディスカッション

司会:伊藤達也

山内 悟

(半田市)
給水されている長良川河口堰の水がまずいという半田市民からの訴えが絶えない。水利権をめぐる行政の態度は硬い。(知多半島の上水道は河口堰の水を受け入れる前は愛知用水=木曽川から受水していた) mr.yamauchi.jpg 知多半島への給水を止めることは長良川河口堰の存在を否定することを意味している。住民運動をタイアップし、活動強化が重要だ。

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杉江節子

(常滑市)
長良川河口堰の受水返上に向け努力してきたが、現実の壁は厚く、困難な道だった。公共事業がいったん動き出したら、止めることは難しい。施設がで完成するまでに計画をやめさせることが重要だ。

徳山ダムの開発水を受け入れることになるであろう大垣地区は安全で、おいしい地下水に恵まれている。水源転換をしてダムの水を受け入れる必要はない。市民は徳山ダムによる影響や実態について行政側からほとんど知らされていない。市民側に判断材料が示されていない。

上田武夫

徳山ダム建設中止を求める会・代表
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長谷川金重 徳山ダム事業費増額をめぐり、相次いで大垣市と岐阜県と面談したが、明確な回答は出なかった。ダムが必要かどうかは市民が決めること。引き続き行政の無責任ぶりを追及していく。国に情報開示を迫ることが大きなポイントになる。

藤田國弘 長良川河口堰や徳山ダム反対運動は広がりを見せている。今回のシンポジウムでは、財政や水の問題などが浮き彫りにされた。徳山ダム問題は名古屋や愛知の問題だ思っていた。名古屋でも徳山ダム反対運動の母体を作ることが望ましい。

三重県の亀山市では女性パワーが、長良川河口堰の水問題で精力的な運動を繰り広げ、亀山市が受水自治体グループから脱退するまでに追い込んだ。亀山市で起きた運動は周辺にも大きな影響を与えた。

大森 恵

(三重県長島町)

八田耕吉 (名古屋女子大学教授) 河口堰の水の水質調査の手法にも課題を残しているが、三重県と違って愛知県の知多半島の自治体が河口堰の水を簡単に受け入れてしまったのはどこに原因があったのか。

加藤伸久

(名古屋水道労働組合)
mr.nobuhisa-kato.jpg 水道事業に携わる現場から報告。

murase-soichi.jpg 村瀬惣一 「長良川河口堰は破産処理をして、問題にケリをつけよう」という提案をしたい。河口堰の工業用水は売れる見込みも収入の見込みもなく、最終的に債務の償還は不可能だ。愛知・三重の工業用水は返上する/工業用水分は破産処理をする/負っている債務は財投から県の一般会計に切り替える。水道用水については、工業用水で先ず突破口を開いて、環境作りをし、受水停止に追い込む。「地方自治体には国や県の方針に従わない権利がある」

大沼淳一

みたけ・500万人の木曽川トラスト
ohnuma-san.jpg 岐阜県東濃地方にある御嵩町は木曽川に面しているが水利権がなく遠く飛騨川から導水して、単価の高い水を使っている。御嵩町の人たちは、木曽川の水を飲んでいる名古屋市民の安全のため、地元で計画されていた産業廃棄物処分場建設に反対してくれた、という事情があってトラスト運動をしている。大渇水の時、木曽川の農業用水は余っていた。自治体間で水を融通できるシステムをつくるべきだ。

  大森 恵 農業用水は過剰に余っているのが現状だ。農業用水の有効利用を行うよう呼びかけている。

宮野雄一

(岐阜大学助教授)

ダムの建設費負担問題

国民としての負担、県民として、また市民として、水の利用者としても負担していることを考えなくてはならない。見かけ上、地方の負担分が減っても結局は国の借金になり、それは国民が負うことになる。これを忘れてはならない。
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ending.jpg 伊藤達也

(金城学院大学教授)

徳山ダム裁判はこの秋に判決言い渡しが予定されていて、これに関心を寄せていかなければならない。長良川河口堰訴訟・三重も地裁から再開した。三重の場合は破たんがはっきり見えてくる。この二つの裁判を通して事業中止に向けた運動を考える必要がある。各々の運動、活動はつながっている。

市民それぞれが問題の当事者である。

2003.8編集


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