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徳山ダム事業費増額 国交省、弁明に躍起
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民主・名古屋市議らに説明
徳山ダムの事業費増額問題で名古屋市議会の民主党市議団は16日、国土交通省と研究者を招き、勉強会を開いた。増額手続きをめぐり、議会側に反発があることを配慮して、国交省側は弁明に躍起。ダムの利水上の必要性では、両者の見解が真っ二つに分かれた。
必要性巡り平行線
同市議団政策審議会が主催して、市議と県議約40人が出席。国交省中部地方整備局の小林稔・河川調査官と、岐阜大学の富樫幸一助教授が説明した。
費用を負担する自治体の同意を待たずに、同局の事業評価監視委員会が増額事業費を基本的に了承したことに市議から反発が出ており、小林調査官は「事業の継続が妥当か判断してもらう途中経過で事業費を審議してもらっただけ。継続が了承されたわけではない」と、弁明を繰り返した。
ダムの利水上の必要性では、国交省側は「近年、降水量のバラツキが多く、ダムが水を供給する能力が落ちている」と、「水余り」批判をかわそうとした。それに対し、富樫助教授は「ダムの供給能力が落ちてもふだん使う水量には余裕がある。異常渇水でも水を融通するソフトな対策で対応できる」と反論した。
関係者によると、勉強会開催までに、増額手続きのまずさを市議が指摘する報道がなされると、国交省側が出席を見合わせたいと打診してきたという。同省は非公開を求めるなど、神経質な対応をみせた。
負担同意は「なお検討」/名古屋市
名古屋市上下水道局は16日、市議会経済水道委員会で徳山ダムの事業費増額をめぐる経過を初めて説明した。負担同意をめぐる市の判断について、山田雅雄局長は、水需要予測のほか、水資源施設の供給能力を市独自に評価し、導水施設についても検討した上で「総合的に判断したい」と述べ、まだ時間がかかることを示唆した。
議員からは、市が水需要予測を出す時期や費用負担について判断する時期などについて質問が相次いだが、事業費増額の一方で、事業計画の見直しが進んでいることから、市側は「現段階では答えられない」「わからない」と繰り返した。
「答えられない原因は」と聞かれ、長坂勉・水道建設部長は「需要予測と供給能力、費用負担のどこでバランスをとるかが難しい」と述べた。
(12/17近郊知多版、尾張近郊版、名古屋版)
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(12/17) | |