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木曽川水系需要27%減
国土審部会、2015年想定 水余り浮き彫り
国土交通省は十三日、国土審議会・木曽川部会(部会長・虫明功臣福島大教授)で、木曽川水系の次期水資源開発基本計画(フルプラン)の骨子を示した。同水系エリアの愛知、岐阜、三重、長野の四県の二〇一五年を目標とする水道用水と工業用水の需要を毎秒約六九トン(一日最大取水量)と想定。現行計画(目標二〇〇〇年)の九四トンから約27%減らしており、現在の「水余り」実態が浮き彫りになった。ただ、事業費増額が問題になっている徳山ダム(岐阜県藤橋村)は、必要な施設として維持し、建設を推進するとしている。
四県などの水需給想定調査に基づいて算定した。この数字が公表されるのは初めて。各県別の需要想定は別表の通りで、いずれも現行計画から15−34%削減した。
これに対し、供給見通しは毎秒一一三・一トンと算定。長良川河口堰(ぜき)や木曽川総合用水など既に完成した施設と地下水などで毎秒約一〇六・五トン、徳山ダムは愛知、岐阜県と名古屋市の利水容量見直し通りの同六・六トンを充てる。
需要量を供給量が上回るが、同省は、二十年に二度の渇水を想定すれば、供給量は毎秒約七七トンに、一九九四年の大渇水時と同じ渇水では同約五一トンに落ち込むとし「渇水時の供給不安定の状況は変わらない。次期計画でも徳山ダムは必要な施設に位置付ける予定」(水資源計画課)と説明した。
国交省は今回、現行計画の需要想定と二〇〇〇年の水道用水と工業用水の需要実績を同水系で初めて検証。実績は水道用水73%、工業用水46%にとどまった。
国交省は、来月にも開く木曽川部会で次期フルプランの原案を決め、省庁協議や関係県知事への意見照会などを経て、閣議決定に持ち込む考え。
◆水資源開発基本計画(フルプラン) 水資源開発促進法に基づき、将来の水需要見通しや供給目標達成に必要な施設などを盛り込み、水道・工業用水などを開発する利水ダムなどの建設根拠になる。全国7水系のうち6水系で見直し作業中。木曽川水系は1968年に決定した基本計画を、その後何度か、一部変更や全部変更などの見直しをしており、今回は3回目の全部変更になる。
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