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社会 |
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徳山ダム予定地住民
移転先の家屋損傷拡大
31世帯が地盤沈下の被害訴え

地盤沈下対策の対象外とされた家屋で、真っ二つに亀裂が入った庭先の敷石=岐阜県本巣市の文殊団地で |
徳山ダム(岐阜県藤橋村)の水没予定地の旧徳山村民が集団移転した同県本巣市文殊の「文殊団地」で、地盤沈下による家屋の損傷で再移転を余儀なくされた世帯以外にも、家屋損傷が相次いでいることが分かった。
再移転はダム事業を進める水資源機構が地盤沈下対策として行ったが、今回被害が明らかになったのはこの対策の対象外の世帯。被害の確認を求める旧村民側に同機構は「地盤沈下が起きていないとは言い切れないが、調査の結果、問題はない。新たな対策を取る考えはない」としている。
今回の被害は同機構が最初の移転に伴う団地造成の際、盛り土などを行わなかった部分に立つ三十一世帯の家屋。約三年前から、ブロック塀や家屋の壁、庭の敷石に亀裂ができたり、ドアが閉まらないなどの被害が目立ってきた。
盛り土部分に家がある五十二世帯については一九九六年、同機構が専門家による「技術調査会」の報告をもとに対策が必要と判断。旧村民は現地で基礎などを補強するか、再移転するかを選択していた。
対策対象外とされた住民らの苦情を受け、同機構は二〇〇二−〇三年度に十一カ所で地質を調査。土地の高さの変化を測る調査も団地全域の約五十地点で続けている。結果は未公表だが、同機構は「問題はないと判断した」という。
しかし、三十一世帯は「被害は拡大している」と納得しておらず、引き続き機構側に現地での被害確認や、再度の調査、詳しい調査結果の説明を求めている。
■文殊団地の地盤沈下問題 文殊団地は水資源機構(旧水資源開発公団)が宅地造成した岐阜県内5つの団地の1つ。1984年から分譲が始まり、旧村民83世帯が移転したが、3年後から家屋に損傷が生じ、地盤沈下が明らかに。機構側は地盤沈下が予想される部分に盛り土をしたが、予想以上に沈下したとして、盛り土部分の52世帯を沈下対策の対象とした。うち48世帯は再移転を選択(1世帯は未契約)。4世帯は基礎の補強など、現地での対策を選んだ。
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