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岐阜 |
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時間足りず苦渋の増額了承
徳山ダム事業で監視委
予算編成に間に合わせるため、十分な審議時間がなかった−。三十日に名古屋市であった徳山ダムの事業費増額を審議する国土交通省中部地方整備局の事業評価監視委員会。増額分のあいまいな点には質問が及んだものの、結局委員らは「事業は止められない」と了承した。今後変更される事業実施計画を見極めることなく、増額を認めてしまった委員会。「監視」という役割を十分に果たせないまま、後味の悪い幕切れとなった。 (今村 太郎)
監視委の網中政機委員長(名城大法学部教授)は委員会終了後に記者会見し「じくじたる思いもある」「時間がほしかった」と心境を吐露し、委員会の限界を認めた。
主なやりとりは次の通り。
−ダム計画変更を待って結論を出すべきではなかったか。
「それが望ましいが、来年度予算の対応もある。このまま(委員会の結論が)遅れれば、予算が継続できない。国の予算編成の時期と重なったため、十分に審議の時間が取れなかった」
−計画変更まで、委員会議論を凍結すべきだったのでは。
「計画変更を踏まえた議論が望ましいが、委員会の役割は(国交省の)要領に沿ったもの。与えられた役割の中で議論をした」
「事業主体(水資源機構)が作成した対応方針に従っての議論なので、委員会に限界はあるのだろうと思う」
−追加分の負担について、関係県市の同意が出てない状況での結論は乱暴では。
「委員会としても、関係県市と調整を図りながら役割を果たせれば良かった。水資源機構が精力的に各県市との調整を進めていると聞いている。直接に関係県市の担当者の話は聞いていないが、各県市から『委員会審議を(計画変更が出るまで)やめろ』という声は上がっていないと機構からは聞いている」
−十分な審議はできたのか。
「来年度政府予算の原案締め切りが年末にあるので、やむを得ず(ダム計画変更を反映させた)対応方針から、事業費追加問題だけを分離させて審議した。中部地方整備局は『十分に時間があった』と言うが、私どもは(もっと)十分な時間をいただければ良かったと思う」
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