岐阜新聞ニュース

平成17年6月7日 火曜日

朝刊

経済 [6月7日朝刊記事] 

麦秋、県内は真夏日/海津市で小麦収穫

 県内最大の小麦産地である海津市で6日、小麦の収穫が始まり、見渡す限りの黄金色が広がる畑でコンバインが次々と穂を刈った。

 同市は海津町を中心に営農組合などによる大規模経営で県全体の約四割に当たる約920ヘクタールで小麦を栽培している。同市海津町福江の福江営農は同日、わせ品種「イワイノダイチ」など8・8トンを収穫した。

 県内はこの日、南から暖かい空気が入り込み、多治見市と揖斐郡揖斐川町で平年より3、4度高い30・7度を記録するなど各地で真夏日となり、強い日差しの下で刈り取りが行われた。

 天候に恵まれた今年は小麦も豊作が見込まれており、海津市では約3300トンを収穫する予定。

(写真)一面が黄金色に輝く小麦畑で始まった収穫作業=6日午前10時10分、海津市海津町福江(撮影・安藤茂喜)

《岐阜新聞6月7日付朝刊一面》


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御神木迎える“幻想火”/道の駅、花街道付知/ろうそく1500本点灯

 伊勢神宮(三重県伊勢市)の式年遷宮(二〇一三年)に向け、中津川市加子母で切り出された御神木は六日、ふもとの同市付知町で盛大にお木曳(きび)きされ、同日夕に道の駅花街道付知に到着した。同道の駅では約千五百本のろうそくで御神木が迎えられ、かがり火をたいて仕舞が奉納されるなど幻想的な雰囲気に包まれた。

 御神木は事前に切られた予備材と合わせて三本となり、同市付知町の護山神社を出発。伝統芸能の三輪神楽や木遣音頭、稚児行列などとともに地域を練った。

 同道の駅では御神木伐採に合わせて、御神木フェスティバル(同実行委員会主催)が開かれ、合併した新中津川市の特産品販売や伝統芸能が披露された。

 ろうそくは会場の広場に並べられ”光のじゅうたん”が、二十年に一度のお祝いムードを盛り上げた。

 かがり火に照らされた御神木の前では地元の保存会が仕舞を披露。幽玄の舞を多くの地域住民が見入った。

 御神木は七日、JR中津川駅前や瑞浪市、加茂郡八百津町に立ち寄り、美濃加茂市に入る。

 (土屋健一)

(写真)約1500本のろうそくやかがり火に照らされた御神木の前で奉納される仕舞=6日午後8時、中津川市付知町、道の駅花街道付知(撮影・馬田泰州)

《岐阜新聞6月7日付朝刊社会面》


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花増え「見違えた」/花フェスタ2005/寛仁殿下、2回目の来場

 三笠宮寛仁さまが六日、可児市瀬田の花フェスタ記念公園で開催中の「花フェスタ2005ぎふ」(岐阜新聞・岐阜放送など後援)を視察し、満開のバラに包まれた園内を観賞された。

 同フェスタの視察は、今年三月一日の開会式に続いて二回目。花の都ぎふ花と緑の推進センター顧問の石原記念男さんの案内で、花のミュージアムやバラのテーマガーデン、花の地球館などを散策され、「(三月より)花がいっぱいになって見違えるようです」と話された。

 また、英国王立バラ協会友好庭園では、二〇〇二(平成十四)年の開園時に信子さまとご夫妻で植樹したバラを目にし、懐かしそうな笑顔を見せられた。

(写真)英国王立バラ協会友好庭園など園内を視察される三笠宮寛仁さま(左から2人目)=6日午後0時32分、可児市瀬田、花フェスタ記念公園

《岐阜新聞6月7日付朝刊社会面》


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中米の国際品評会に参加/バリスタ国際審査員の岐阜市の山田さん

 コーヒーを飲む人がいれば、コーヒーを作る人がいる―。一粒の種から一杯のコーヒーまでを結ぶ深いこだわりと情熱が、一人の男を世界へ羽ばたかせている。

 岐阜市福光東でコーヒー豆専門店「珈琲の七福」を経営する山田英二さん(37)は、現在アジアでただ一人の「バリスタ」の国際審査員。バリスタは、一杯のコーヒーをいかにおいしくいれるかを極める職人で、ワインの世界でいうソムリエに近い。

 昨年、日本人で初の審査員試験に合格して話題を呼び、今年四月にアメリカで行われた資格更新試験に合格した。

 五月には、その国の最高のコーヒーを決める品評会の国際審査員に選ばれ、中米ホンジュラスの国際品評会に参加した。

 四日間にわたり百十五種類、全四百六十カップと向かい合った。コーヒーの焙煎(ばいせん)や抽出方法ではなく、コーヒー豆そのものの品質に迫る審査会は全神経を自分の味覚、臭覚に集中させ、甘さや香りなど八項目を評価。「経験と勘」に頼らざるを得ない過酷な審査の連続に、舌の疲れから味覚がまひしたこともあったという。

 コーヒーのおいしさはその焙煎や抽出の方法に注目されがちだが、豆の品質そのものが実は一番重要だという。「コーヒーはフルーツだと思っている」という山田さん。ホンジュラスでの審査会に参加し「うまいコーヒー豆の生産者と、世界中のコーヒー愛好者をつなぐのが自分の仕事だと実感した」と話していた。

 (国枝拓)

(写真)ホンジュラスで行われたコーヒーの品評会で審査に挑む山田英二さん

《岐阜新聞6月7日付朝刊県内版》


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衰弱、保護…巣に戻し4日後/徳山ダム下流1キロ/クマタカのひな死ぬ

 水資源機構は六日、揖斐郡揖斐川町で建設中の徳山ダムの下流約一キロの町道で先月二十六日、絶滅が危惧(きぐ)されているクマタカの雛(ひな)を衰弱した状態で発見、保護したが、巣に戻してから四日後に死亡を確認した、と発表した。

 徳山ダム建設所などによると、雛は委託職員が発見。ふ化から三十日ほどで、体長は約三十センチだった。大型の鳥につかまれたとみられる小さな傷が数カ所あったという。

 同建設所では発見地点を行動圏内とするクマタカのつがいの雛が、巣からいなくなっていることを二十七日に確認。徳山ダム環境保全対策委員会ワシタカプロジェクトチームの専門家などの指導を得て、餌を与えて保護に努め、体力が回復した二十九日に巣に戻した。

 その後、雛と見られる鳥が近くの町道で死んでいるとの情報が入り、今月二日、保護した雛であることを確認した。

 同建設所では巣の監視ビデオで、三十日にトビによる襲撃を確認しており、トビなど大型の鳥に連れ去られて捕食されたとみられる。

 クマタカは環境省レッドデータブックの絶滅危危惧TB種に指定されている。徳山ダム建設現場周辺には、九のつがいが確認されているが、同建設所がクマタカの雛の保護やトビの襲撃を確認するのは初めてという。

 (山田孝二)

(写真)保護された当時のクマタカの雛(水資源機構が5月28日に撮影、提供)

《岐阜新聞6月7日付朝刊県内版》


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青色回転灯装着車による防犯パトロール/北方町でもスタート/下校時間帯に週2回

 北方町は、公用車に青色回転灯を装着して防犯パトロールを始めた。北方署管内では初めて。県内の自治体では安八町に続き、二番目。

 町内で不審者の出没が相次いだことから、犯罪に目を光らせようと、県警と国交省岐阜運輸支局に使用を申請、許可された。使う車は一台で、三十五歳以下の若手職員十九人が交代で乗車。着脱式の同回転灯を付けて平日の週二回、子どもの下校時間帯に合わせて通学路を中心に四十五分程度パトロールする。巡回中は積極的に声を掛け、異変があれば車両ナンバーや人相などの特徴を控え、北方署に通報する。

 この日は町役場前で出発式があり、関係者約二十人が出席。白木聡町長から「大変だが頑張って継続を」と激励を受け、同回転灯をともした公用車が発進した。

 (小森直人)

(写真)犯罪防止にと青色回転灯を公用車に付けてパトロールに向かう町職員=北方町役場前

《岐阜新聞6月7日付朝刊岐阜地域版》


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現場の声反映した行政を/西濃教育シンポで名古屋大生2人/大垣市に問題提起

 大垣市の教育について研究する名古屋大学生を招いた西濃教育シンポジウム「名大法学部学生がみた!きいた!感じた!大垣市の教育」(西濃・教育オンブズマン、子どもサポートネット大垣共催)が五日、同市室本町の市スイトピアセンターで開かれた。

 名古屋大学法学部四年生の大前良太さん、伊藤圭介さんが、教育行政をテーマにしたゼミで大垣市を取り上げ、同市教育委員会や、市民団体などから調査した成果を発表した。二人は、不登校問題、IT教育、少人数教育、教員研修など同市の取り組みについて紹介。教育改革を先進的に行っている犬山市などと比較しながら「現場に立つ教員や外部の目、声が通りやすい教育行政を行うべき」と問題を提起した。

 会場には教員や保護者らも訪れ、子ども一人ひとりに目の届く教育を求める声が上がった。

 (本間綾子)

(写真)名古屋大学生の研究発表を通して教育の在り方を考えたシンポジウム=大垣市室本町、市スイトピアセンター

《岐阜新聞6月7日付朝刊西濃地域版》


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主婦ら梅酒づくり/美濃市の小坂酒造場/日本酒「百春」使って挑戦

 美濃市相生町の造り酒屋小坂酒造場(小坂良治社長)で五日、同社の看板商品「百春」と無農薬栽培の梅を使った梅酒づくり体験が開かれた。

 同社所有の梅林からは、毎年八百キロもの実が収穫できるという。梅酒づくり体験は昨年から始まり、この日は午前、午後の二回に計約三十人が参加。新鮮な梅を選び出し、洗ったり、へたを取り除くなどしてボトルへ入れ、氷砂糖と百春の蔵出し原酒を注ぎ入れた。時々、振り混ぜながら、三カ月ほど冷暗所に置いておくと、甘味がさわやかな梅酒が出来上がる。

 岐阜市の主婦光田桂子さんは「三月の蔵開きの時に梅酒を試飲して、とてもおいしかったので参加した。焼酎ではなく、日本酒で作るのは初めて」と話していた。

 体験は十一、十二日にも開かれる。申し込みは同酒造場、電話0575(33)0013。

 (西山歩)

(写真)甘酸っぱい梅の香りに包まれて、梅酒づくりを体験する参加者=美濃市相生町、小坂酒造場

《岐阜新聞6月7日付朝刊中濃地域版》


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若手陶芸家、光る個性/多治見市/「夏の食」テーマ、20人出展

 東濃地域などで活動する若手陶芸家の作品を集めた「みんなのカタチ VOL.4」が、多治見市本町のギャラリーオー工房で開かれ、個性の光る作品が来場者を引き付けている。七月二十四日まで。

 同展は若手陶芸家の発表の場として年一回開かれ、今年で四年目。今回は、多治見市陶磁器意匠研究所の卒業生を中心とする多治見、土岐、瑞浪、可児市などの二十代から三十代までの二十人が、「夏の食」をテーマに作品を発表した。

 会場には、皿や鉢、酒器セット、花器など約二百点を展示。ビールジョッキやタンブラー、絵本とコラボレーションしたテントウムシのついたカップとソーサー、ラスター彩を重ねがけし黒光りするボウルなど、感性豊かな作品が並ぶ。

 半磁器のフルーツトレーなどを出品した富谷麻衣子さん(32)は「遊びの感覚で日常生活の中に取り入れてほしい」と話していた。

 (古川貴子)

(写真)若手陶芸家の個性が光る作品が並ぶ会場=多治見市本町、ギャラリーオー工房

《岐阜新聞6月7日付朝刊東濃地域版》


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「日本水彩展」そろって入選/岐阜新聞高山文化センター、水彩画教室生徒ら

 岐阜新聞高山文化センター水彩画教室で学ぶ金田美智子さん(67)=高山市緑ケ丘町=、上出博さん(82)=同市初田町=、長瀬多美枝さん(54)=同市上川原町=の三人が、日本水彩画会の公募展「第九十三回日本水彩展」で、そろって入選を果たした。作品は十日まで、東京・上野の東京都美術館で公開。七月十二―十八日は、名古屋市の愛知県美術館で移動展が行われる。

 日本水彩展は、伝統のある公募展。今回は千四十六点の応募があり、うち四百六十七点が入選。県内では応募が三十五点で、入選したのは二十四点だった。

 三人は、同教室で週一回、加藤稔講師から水彩画の手ほどきを受けている。金田さんは十四回目、上出さんは八回目、長瀬さんは初の入選。

 長瀬さんは看護師の仕事の傍ら、同市岩滝方面の山里の風景画を描いて出展。「思いがけない入選で驚いたが、ちょっと自信がついた。飛騨はいい風景がたくさんある。絵を描くことはストレスの解消になっています」と話していた。

 (沢野都)

(写真)日本水彩展にそろって入選した金田美智子さん、長瀬多美枝さん、上出博さん(右から)=高山市名田町、岐阜新聞高山文化センター

《岐阜新聞6月7日付朝刊飛騨地域版》


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「クール・ビズ」始まる/高山市/飛騨の自治体初の取り組み

 高山市は六日、ノーネクタイで上着なしの軽装「クール・ビズ」を、本庁や支所などで執務中の全男性職員八百九十八人に義務付ける取り組みを始めた。地球温暖化防止と省エネ対策で、九月三十日まで行う。飛騨地域の自治体では初の試み。

 同市のクール・ビズは、市のさわやかマニュアルに基づき、市民に不快感を与えないスタイルを提唱。ズボンからシャツを出すスタイルや、ラガーシャツ、ポロシャツ、アロハシャツ、かりゆしウェアは駄目という。

 初日は“様子見”とあって、白やブルーの無地で無難なシャツが多かった。ストライプ柄を着ていた男性職員は「着るものがなくて買いました」と感想。一方、市民は「堅苦しくなくて、こっちの方がいい」などと話し、好印象だった。同市は以前からエコオフィス推進として、七―九月の三カ月間は「上着なし、ノーネクタイ」を奨励していたが、慣習としてネクタイは着用されてきた。

 この日、市議会もクール・ビズを導入することを決めた。十四日の本会議からスタートする。

 (沢野都)

(写真)クール・ビズの義務付けで、上着なしのノーネクタイの軽装で窓口対応する男性職員=高山市役所

《岐阜新聞6月7日付朝刊飛騨地域版》


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[6月7日経済ニュース]

イージーオーダー強化/岩田製作所/3千種の主要部品、発注方式を簡素に

 産業機械用標準部品メーカーの岩田製作所(本社関市池尻、岩田修造社長)は、主要部品のイージーオーダー事業を強化する。注文をシステム化し、専門のカタログを通じて売り込むほか、ホームページでも受け付ける。規格品の需要も掘り起こし、五年後に対象部品の売り上げ五割増を見込んでいる。

 事業名は「ナイスパーツ」。対象とする部品は機械設置時の微調整に使うシム、センサーを産業機械に取り付けるセンサーブラケット、柔らかいチューブを安定して固定するチューブクランプ、銘板の二千―三千アイテムで、全商品数の四割程度に当たる。いずれも専用のカタログに基準となる規格品、変更する材質、表面処理、板厚、外型などの条件を挙げ、注文方式を簡素化。いずれの場合も、原則として五日以内(工場稼働日)の納品としている。

 同社はこれまでも特注を受け付けてきたが、その対応力を積極的にアピールすることにした。特注品をきっかけに、これまで各企業が内製していた部品の外注化を促し、規格品を含めた全体の受注を狙う。

《岐阜新聞6月7日付朝刊経済面》


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