岐阜新聞ニュース

[8月27日朝刊記事] ※ニュースは適宜「Reload・再読込」してご覧ください 

世界に迫る/精神面、次への課題/五輪日本ホッケー

 【アテネ26日=本社・西山歩】初の五輪は、ほろ苦い思いを残して幕を閉じた。二十六日の最後の韓国戦、日本は1−3で敗れ、8位が決まった。「みんながいっぱいいっぱいだった。やはり甘くない」。安田善治郎代表監督は、何度もうなずきながら言った。「でも、初めて出たこと、そして何より2勝したことは、とてつもなく大きい。沈没寸前だった日本のホッケーを盛り上げたのだから」。アテネの地を、スティックを手に駆け回る選手たちの姿は、日本ホッケーが世界と十分に戦えるということを日本中の目に焼き付けた。

 この日は、前半10分すぎから韓国にたて続けに3点を許した。前半終了と同時に取得したPCから三浦恵子(ソニー一宮)が1点を決め、後半も猛攻を仕掛けたが、追いつくことはかなわなかった。「韓国がゴール前で自信を持って入り込んでくるのに対して、日本は腰が引けていた」(安田監督)。負けた4戦のどの試合でも、敗因として挙げられたのは“得点力”、最後の最後での“強引さ”だった。守り切って勝った予選と同じ戦い方では、世界のトップは勝たせてはくれなかった。

 さらに五輪常連チームとの差は、精神面に決定的に表れた。岩尾幸美(森ク)は言った。「このチームは、五輪に出ることを一番の目標にやってきた。でも、それでは五輪では勝てないことが分かった」と。もちろん出場で満足していたわけではない。勝ちたい気持ちは、試合後に涙となってあふれた。だが、安田監督も「あの(予選時の)モチベーションに持っていくのは並大抵のことじゃない。出場決定後も、大会中も、初めてのことばかりで選手に戸惑いもあった」と認めた。

 それでも足跡は確実に残った。木村千恵(ソニー一宮)は「わたしたちは、この悔しいという思いを次に伝えられる」と手にした財産を語る。その財産をどれだけ有効に使うかが、北京へつながる道となる。

 「選手たちは、これから五輪選手という使命感で頑張ってくれるはず。それが五輪の魅力。選手だけではない、ホッケーにかかわるすべての人が次へ向かって真剣にならなければ」。安田監督の目に新たな闘志がこもった。

《岐阜新聞8月27日付朝刊一面》

悔しさを財産に/ホッケー女子 三浦主将/初の五輪、チームを鼓舞し続け

 【アテネ26日=本社・西山歩】主将として、常に先頭に立って戦った三浦恵子選手(ソニー一宮)の初めての五輪が終わった。二十六日に行われた7・8位決定戦。最後の韓国戦で見せた一撃に、三浦選手は、押し込めてきた思いをすべてぶつけた。

 「悔しい」。振り返ると、この言葉だけが残る。「準備の仕方が分からずに五輪に入ってしまった。ほかのチームは初戦から万全の態勢でメダルを狙ってきているのに、日本はようやく3試合目くらいから五輪に慣れてきた。もっともっとできたはず」。五輪に出ることも、注目されることも、すべてが初めてだった。「いろんなことに振り回された」。

 一人でいろいろなものと戦ってきた。選抜チームをまとめる難しさを、高校時代からの恩師安田善治郎代表監督(岐阜女商高監督)の怒られ役になることで乗り越えた。セットプレーのポイントゲッターを担いながら、昨年末に手術した足の調子が戻らず、結果を残せなかった。

 そして五輪出場権を獲得してからは、広告塔を一手に引き受けてきた。身も心も根をあげそうになりながら、チームの精神的柱であり続けた。

 今大会もなかなか満足いく動きができなかった。だがこの日、前半終了ぎりぎりに奪ったPCを「ただもう思いっ切り」ゴールにたたき込み、五輪史に自らの名を刻んだ。信頼しているからこそ厳しい言葉をかけ続けた安田監督も「やりたくても足がいうことをきかない、相当のジレンマがあったと思う」と、優しい言葉でねぎらう。

 試合後、歴史をつくったチームを率い、堂々とフィールドを1周した主将は「次の北京に出てこそ、日本の力も本物だと思っている。ここからが本当の勝負。自分の先のことは分からないけれど、何かの形で次につながるための役割を果たしたい」と強いまなざしで語った。そして次の瞬間、「もっとみんなを守ってあげられればよかった」。張りつめていた気持ちが、涙とともにあふれ出した。

(写真)7・8位決定戦・日本×韓国=PCからシュートをたたき込む三浦=ヘリニコ競技場ホッケースタジアム(撮影・西山歩)

《岐阜新聞8月27日付朝刊一面》

協会は女子強化を/安田監督「男子偏重」に注文/条件付きで続投に意欲

 ホッケー女子日本代表の安田善治郎監督(58)は二十六日、アテネ五輪での8位が確定した後「初出場で2勝し、8位入賞という結果は、大きな一歩と考えていいと思う」と振り返り、さらに「アテネでの仕事は終わったが、ホッケーへの情熱は尽きない。北京への道はこれまでより厳しいものになるが、日本協会が十分に支援してくれれば監督を続けられる」と、条件付きながらも続投に意欲を示した。アテネで本社の電話取材に答えた。

 安田監督は「北京五輪にも出場させたい」と続投への意欲はあるものの、「男子偏重の協会の姿勢では女子をこれ以上強化できない」との認識から、今まで以上の強化態勢がなければ連続出場は難しいとしており、「こちらが満足できる条件で依頼されれば、続投を受ける気持ちはある」とも話している。安田監督は二〇〇一年に監督就任、任期は来年三月まで。

《岐阜新聞8月27日付朝刊社会面》


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和田一晴れ晴れ/プロとして、目いっぱいやった/銅メダル、胸に輝く

 【アテネ26日=本社・西山歩】県勢の胸にメダルが掛かった−。野球のメダルセレモニーは、二十五日夜(日本時間二十六日早朝)、野球センターで行われ、和田一浩選手(西武、県岐阜商高出)も、銅メダルを手に笑顔を見せた。

 金メダル獲得を使命としてきたプロ集団だけに、銅メダルという結果には「決して満足はできない」と和田選手。だが、「目いっぱいやった結果がこれなので、素直に受け止めている」とも。

 自らは9試合すべてにスタメン出場し、3割3分3厘の堂々たる結果を残したこともあり、メダルを掲げる表情に悔いはなく、晴れ晴れとしていた。

(写真)メダルを胸に、晴れ晴れした笑顔で観衆の拍手に応える和田一浩選手=野球センター(撮影・西山歩)

《岐阜新聞8月27日付朝刊社会面》


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徳山ダム、導水路調査費盛る/05年度概算要求

 国土交通省中部地方整備局は二十六日、二〇〇五(平成十七)年度予算の概算要求に、徳山ダム(揖斐郡藤橋村)建設で新たに開発される水を揖斐川から木曽川へ流す「木曽川水系連絡導水路」の実施計画調査を、新規に盛り込んだと発表した。

 〇七年度の完成を目指して工事が進められる徳山ダムで、確保される水を異常渇水時の渇水対策や都市用水として活用する。ルートや導水路断面などは、今後、岐阜、愛知県や名古屋市など関係自治体との調整や地質調査などを経て、決定される。

 ルートについて、同局は昨年十一月、徳山ダム下流の西平ダム付近の揖斐川左岸から根尾川と長良川を経由し、愛知県犬山市の木曽川右岸を結び自然流下させる「上流案」と、ポンプ施設を設ける安八郡安八町の名神高速道路・揖斐川橋上流の揖斐川左岸から羽島市の木曽川馬飼頭首工上流へ流す「下流案」の二案を示している。

 上流案は約五十キロと長いが、高低差で自然に流すため、ポンプ施設は不要。下流案は約八キロと短いが、ポンプ施設の維持管理費などがかかる。導水路は地下に埋設され、水利用の幅が広がることから、上流案が有力とみられている。

 事業費は渇水対策用と都市用水を共同利用した導水路の場合、上流案で約七百〜九百億円、下流案で約七百五十億円としている。

《岐阜新聞8月27日付朝刊一面》


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パイプオルガン建造に全身全霊/白川町の辻さん/来月完成へ最終作業

 加茂郡白川町黒川のオルガン建造家辻宏さん(70)が、通算八十一台目となるオルガン建造に取り組んでいる。二十九日に同町で開講、今年で二十周年を迎えるイタリアオルガン音楽アカデミーを機に同町河岐の町民会館ホールに備えるパイプオルガンだ。今春から車いす生活の辻さんだが、全身の力を振り絞って作業が続けられている。

 建造中のオルガンは、辻さんが長年手掛けるイタリアスタイルで、ルネサンス−ロココ時代の様式を基本にして構想。高さ約七メートル、パイプは計千三百六十二本(最大径十八センチ)と、県内ではサラマンカホール(岐阜市)のオルガンに次ぐ大きさ。板材は地元のモミ材などを使っている。

 辻さんは東京芸大でオルガン研究・演奏両面を学んだが、「日本でまだ数少ないパイプオルガンの響きをじかに聴いてほしい」と建造家の道を選んだ。特に「繊細で親しみのある響き」のイタリア、スペインのオルガン研究に打ち込み、本場ヨーロッパの古いオルガンを修復しつつ、伝統の技と音色を探っていった。

 一九七六年、旧校舎を工房に白川町に移り住んだ。“辻オルガン”は国内ばかりかヨーロッパ各地の古典的なオルガンをよみがえらせた。オルガンが教会から発展したように、辻さん自身も敬虔(けいけん)なクリスチャン。同町とオルガン音楽の普及を目指したアカデミーは八五年にスタート、受講者は延べ六百人余を数える。

 町民会館のオルガン建造は辻さんの悲願だった。だが昨年は腰部などを二度手術、車いすも必要になった。現在は仕上げのため妻紀子さん、スタッフと連日、ホールに通っている。自由にではなくとも、紀子さんらの介助で車いすで移動、笛や鍵盤の調律に没頭しているときは普段の厳しいオルガン建造家の顔だ。

 オルガン全体の完成は来月になりそうだが、辻さん夫妻は「その響き、調べは今回のアカデミーでも味わってもらいたい」と取り組んでいる。

 (林進一)

(写真)車いすを支える妻紀子さんとともに、完成間近いパイプオルガンの調律に耳を傾ける辻宏さん=加茂郡白川町河岐の町民会館

《岐阜新聞8月27日付朝刊社会面》


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ギャラリー列車運行/樽見鉄道/沿線児童の絵画642枚張る

 樽見鉄道の沿線児童が同鉄道の将来像をデザインした絵画642点をレールバスの車体に掲示した「ギャラリー列車」が、26日から運行を始めた。初日は本巣市根尾板所の樽見駅で完成披露式があり、応募児童らを乗せて出発した。

 NPO法人樽見鉄道を守る会(高橋順子理事長)が、沿線の子どもらに同鉄道への愛着を深めてもらおう−と企画。県と県民が出資する公益信託ぎふNPO基金の助成金と個人、法人、団体など215件の協賛金を受け、画用紙を縦15センチ、横20センチに縮小し、シール加工して車体両側面に張った。ヘッドマークの柄は脳性マヒの画家山田真己さん(32)=羽島市江吉良町=が足指に筆を挟んで2カ月がかりで完成させた。

 式典では沿線5市町村の児童、山田さん、根尾のお年寄りらを交えてテープカット、その後、大垣に向けてゆっくりと発進し、小旗と紙テープで門出を彩った。

 山田さんは「私の思いを載せて、樽見鉄道がいつまでも走り続けてほしい」と。羽の生えた虹色のレールバスを描いた根尾小6年臼井翔大君(11)は「将来まで残り、羽ばたいてくれるよう、願いを込めた。飾られて、皆に見てもらえるのがうれしい」と喜んでいた。

(写真)車両側面で「いつまでも走れ、未来へと…」というメッセージをびっしり囲む沿線児童の絵画=本巣市根尾板所、樽見駅

《岐阜新聞8月27日付朝刊社会面》


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視力が弱い子らのために…/ボランティアが拡大教科書作り/岐阜市

 視力が弱く、視野が狭いなどの障害で教科書が読みにくい児童のための「拡大教科書」の製本作業が、岐阜市梅河町の視覚障害者生活情報センターぎふで行われた。ボランティアたちが三カ月かけて完成させた。

 拡大教科書は、児童の弱視の度合いに合わせ、通常の約二倍の大きさの文字を使って作り直したもの。これまで有料で行ってきたが、今年春から文科省の無償配布が決まり、県教委の委託を受けて同センターに登録を受けたボランティア十五人が製作してきた。

 ボランティアは六月から毎週一回集まり、全ページをスキャナーで取り込み、余分な空白や絵柄を削除したりレイアウトをやり直す作業を重ねた。作業によって、注文のあった同市周辺の小学二、五、六年の算数の後期教科書二十三冊、十人分が完成した。

 ボランティアの一人、大橋南海子さん(61)=同市神室町=は「制度をまだ知らない親も多く、ぜひ利用してほしい。そのためにも多くの人にボランティアに参加してもらいたい」と話していた。問い合わせは同センター、電話058(263)1310。

 (小西里奈)

(写真)一冊ずつ丁寧に拡大教科書を作るボランティア=岐阜市梅河町、視覚障害者生活情報センターぎふ

《岐阜新聞8月27日付朝刊岐阜地域版》


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扇面芭蕉120点/守屋多々志美術館/生誕360年祭4日から企画展

 大垣市で繰り広げられている「おおがき芭蕉生誕360年祭」に合わせて、同市郭町の守屋多々志美術館で、九月四日から企画展「同行二人 芭蕉と守屋の旅」が開催される。十一月七日まで。守屋さんのライフワークにもなっていた扇面芭蕉シリーズの中から奧の細道の句を中心に、約百二十点が展示される。

 文化勲章を受章した守屋さんは、奧の細道むすびの地である同市船町の生まれ。守屋さんにとって俳聖・松尾芭蕉は身近な存在で、芭蕉が詠んだ句から芭蕉の心情を思い浮かべて扇の面に情景を描いた「扇面芭蕉」は、守屋さんならではの作品となっている。

 今回は、扇面芭蕉シリーズから「蛤の ふたみに別れ 行く秋ぞ」「草の戸も 住み替る代ぞ 雛の家」など奧の細道の句を描いた作品が展示される。このほか、大型の作品では芭蕉の更科紀行に題材を求めた「更科」や、「一つの家に 遊女も寝たり 萩と月」の句から想を得て描いた「萩の宿」などが紹介される。

 十月二日には、県連句協会理事長の大野鵠士さんによる記念講演会が開かれる。入館料は大人三百円、子ども百円(毎週火曜日定休)。問い合わせは同美術館、電話0584(81)0801。

 (井上吉博)

(写真上)扇面芭蕉の「蛤の ふたみに別れ 行く秋ぞ」(写真中)扇面芭蕉の「草の戸も 住み替る代ぞ 雛の家」(写真下)四面屏風(びょうぶ)の「更科」

《岐阜新聞8月27日付朝刊西濃地域版》


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美濃和紙太鼓 練習熱心に/関有知高と武義高の生徒/保存会が指導

 関有知高校=関市下有知=と武義高校=美濃市泉町=の生徒が、九月の文化祭で披露する「美濃和紙太鼓」の練習に励んでいる。「美濃和紙太鼓保存会」(平林咲子代表)のメンバーの指導を受け、両校の生徒は夏休みを返上して熱心に取り組んでいる。

 美濃和紙太鼓は、面や胴体などすべて美濃和紙でできた太鼓で、一般的な太鼓に比べて柔らかな音が鳴るのが特徴。関有知高校は一年一組の全員三十九人、武義高校は二年四組の男子十五人が、それぞれ文化祭で披露しようと、週二回ほど指導を受けている。

 二十六日は、同市曽代の勤労青少年ホームで、両校の生徒約三十人が、同保存会員八人の指導を受けた。生徒たちは、保存会のオリジナル曲の「舞」「祝い太鼓」などを猛練習。平林代長は「未経験の生徒にとって練習は大変だと思うけど、本番はぜひ成功してほしい」と話している。

 関有知高校の鷲見琴実さんは「みんなの太鼓が合うと気持ちいい。本番で成功するように頑張りたい」と意気込む。

 関有知高校の発表は九月七日、武義高校の発表は同八日。

 (舌間隆博)

(写真)美濃和紙太鼓の練習に励む関有知高校の生徒=美濃市曽代、勤労青少年ホーム

《岐阜新聞8月27日付朝刊中濃地域版》


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大学生が焼き物修行/セラパークで「作陶合宿」スタート

 多治見市東町のセラミックパークMINOなどで各地の大学生が陶芸を学び、茶道具をつくる「作陶合宿」が二十五日にスタート。作品は同パークが開く「織部大茶会」で使われ、学生は焼き物産地での作陶を満喫している。

 同パークは来年四、五月に大規模な茶会「織部茶会」を開く予定で、この茶会で使う茶道具を作り、もてなす大学生を募集。東京や名古屋など全国から十一大学の約百四十人が参加を希望した。学生は二泊三日の日程で同パークで作陶に挑戦するほか、美濃の著名な陶芸家の作業風景も見学する。

 学生が制作するのは、一人一点の抹茶茶わんのほか、水差しや花器など。初日の二十五日、来岐したのは創価大学の学生十六人で、土岐市下石町の陶芸家林正太郎さんの窯を訪れ、ろくろをひく様子を見学。学生たちは林さんの手際の良さに驚いていた。

 同パークは九月十二日まで順次、学生を受け入れる。

 (東谷尊)

(写真)林正太郎さんの作陶の様子を注意深く見つめる創価大学の学生=土岐市下石町

《岐阜新聞8月27日付朝刊東濃地域版》


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[8月27日経済ニュース]

カルチャー系強化/岐阜パルコにヴィレッジ・ヴァンガード/来月オープン

 パルコ岐阜店(岐阜パルコ、岐阜市神田町、野口高志店長)は、雑貨や書籍などカルチャー系の展開を強化する。九月十七日には書籍と音楽ソフト、雑貨を扱う書店「ヴィレッジ・ヴァンガード」をオープン。地元出身のクリエーターと組んだキャンペーンも打ち出し、ファッションにとどまらない情報発信に力を入れる。

 同店では書籍やCD専門店が営業していたが、テナント退去後ここ三年ほどは扱っておらず、客の要望を受けてパルコ側が出店を依頼した。秋の部分改装の目玉として四階の催事場約二百四十平方メートルに入る。

 「ヴィレッジ−」は愛知県を中心に全国で直営、フランチャイズ店を展開。“遊べる本屋”としてアート系、サブカルチャー系、デザイン系の書籍からCD、雑貨、菓子など、ジャンルを超えた個性的な商品構成が特徴だ。

 開店を記念して先月から両店で共同企画したキャンペーンを仕掛けた。岐阜出身のグラフィックデザイナー、写真家など十一人の若手クリエーターにステッカー制作を依頼。岐阜市内のカフェやCDショップなどに置き、十一枚集めたらプレゼントを渡す。こうした形態の企画は初めてという。

 同店では先日公共ホールでのお笑いイベントを初めて企画、映画館との提携も進めており、野口店長は「若者は昔ほどファッションだけを重視しておらず、カルチャー系の情報発信に力を入れていきたい。現在はファッション系が全体の70%を占めているが、半々にもっていきたい」とし、書店開店で来店客数の10−20%増を見込んでいる。

《岐阜新聞8月27日付朝刊経済面》


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若者失業者の研修 カリキュラム公募/県人材チャレンジセンター

 県産業経済振興センターが運営する「県人材チャレンジセンター」は、若者失業者を対象とした雇用直結型の研修カリキュラムを一般公募する。

 経済産業省から受託した地域産業活性化人材育成事業の一環として、若手を育成するためのカリキュラム、教材の開発と実証が目的。

 公募するのは、県内の三十四歳以下の求職者を対象にしたカリキュラムで▽県の新七大成長産業分野(健康、福祉、環境、交流、文化、教育、ハイテク)と産業再生分野(地場産業、建設業)に関する内容▽地域産業の若年人材ニーズを踏まえた内容▽雇用直結型▽遠隔地にも教育を提供できるeラーニングを可能な限り活用−が条件。

 九月六日までに提案書を出して応募登録後、同月中旬に審査を行い、提案数件を選ぶ。問い合わせは同センター、電話058(278)1149。

《岐阜新聞8月27日付朝刊経済面》


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