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徳山ダム、治水にシフト
国交省中部整備局、調節機能25%拡充で
事業費増額が問題になっている「徳山ダム」(岐阜県藤橋村)について、国土交通省中部地方整備局は二十七日、利水の減少に対し治水対策を大幅に強化し、洪水調節機能を25%拡充する事業変更案をまとめた。建設中のダムの機能が、途中で大きく変更されるのは異例。整備局は今後、事業費の九百六十億円増額に向けて自治体などと協議し、五月末をめどに合意手続きを進めたい考えだが、難航が予想される。
変更案は、名古屋市内で開いた岐阜、愛知、三重県と名古屋市との調整会議で示した。
岐阜、愛知両県と名古屋市は利用する水の量を削減することを決めており、変更案では、利水のための容量を現行計画の一億二千九百万トンから七千八百万トンに削減。変更案では削減分を治水対策に振り向けた。
具体的には、徳山ダムの洪水調節のための容量を現行計画一億トンから一億二千三百万トンに増強。下流の横山ダムのかんがい容量を徳山ダムに移した上で、横山ダムの洪水調節容量も二千九百六十万トンに増やす。洪水調節容量全体では計一億五千二百六十万トンとなり24・6%増強した。
また、渇水時に下流に水を流し河川環境を維持する不特定容量(かんがい容量含む)も98%増やした。
同整備局は、三県一市などの費用負担額の基本となる用途別負担率も公表。「治水」57・8%(現行比13・4ポイント増)、「利水」28・2%(同8・6ポイント減)「発電」14・0%(同4・8ポイント減)とした。
示された負担率をそのまま当てはめると、治水だけの三重県は負担が増え、利水が多い愛知県や名古屋市は減る見通し。治水、利水双方がある岐阜県の増減は微妙という。三重県の松井勝幸・資源活用室長は「治水効果がどれだけ上がるのか分からない部分がある。負担に見合う効果が得られなければ、県民に対して説明できない。負担が過度にならないよう(国に)訴えたい」と話した。
整備局は「機械的な作業でなく公平性の観点から算出していきたい」とした。
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