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徳山ダムの導水路は犬山で取水
愛知県、ルート案固める
岐阜県藤橋村で建設中の徳山ダムの水を渇水対策や都市用水として活用するため、揖斐川と木曽川と結ぶ導水路について、愛知県は揖斐川上流域から自然流水を利用して流下させ、同県犬山市で取水するルート案を固めた。総事業費は概算で七百億−九百億円。都市用水として使う愛知県や名古屋市の自治体負担分は二百億−二百五十億円に上るとみられる。今後、具体的なルートや負担割合について国や関係自治体間で協議を進めるが、同ダムでは総事業費の大幅増に続く巨額の財政負担となり、調整は難航も予想される。
二日に開かれた二月定例県議会で神田真秋知事が「愛知用水地域の水源とするため、犬山地点で取水することが適切」と述べた。自民党の日高昇氏の代表質問に答えた。
計画案によると、徳山ダムの下流にある横山ダム(岐阜県藤橋村)近くから導水し、愛知県犬山市の木曽川取水口まで結ぶ延長約五十キロのルート。同取水口から愛知用水を通じ、水道用水として活用する。
導水路については国土交通省中部地方整備局が同案を含む六案を示しており、関係自治体などでそれぞれ検討していた。愛知県では、同案が高低差を利用して水を流下させるため、ポンプ施設が必要なく、運用費が安いなどのメリットがあることから適切と判断した。
徳山ダムについて愛知県では利水量を従来の毎秒四トンから二・三トンへ減らすことを決めている。
◇ 徳山ダムの事業費増加問題で、名古屋市の松原武久市長は、二日の市議会二月定例会本会議で「将来の需要などと照らし合わせると市にとっては必要なダムだ」と述べ、事業参加を継続する考えを示唆した。ただ市の事業費負担については「総合的な判断が必要」とした。伊神邦彦氏(自民ク)の代表質問に答えた。
徳山ダムをめぐっては、市議会の一部与党会派が、事業からの撤退を視野に入れた検討を市側に求めていた。
また松原市長は答弁で、現在進めている水需要予測について「現行を下回る見込みだ」と初めて、明言。「予測の作業は大詰めを迎えている」として、本年度中にまとめる考えを示した。
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